平成28年11月定例会
平成28年12月5日 (一般質問)
平井登 (志太創生会)
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(1) 拡大する野生鳥獣被害への新たな対策ステージについて
標題1.拡大する野生鳥獣被害への新たな対策ステージについて
近年、中山間地域におけるイノシシ、シカ、ハクビシン、サルなどの野生動物による農林作物被害や住民への危害の脅威が、ますます深刻化・広域化していることは本市および近隣市町を問わず全国的に大きな問題となっています。
政府では平成20年2月に『鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律(鳥獣被害防止特措法)』を施行。この法律により、現場に最も近い行政機関である市町村が中心となって実施する野生鳥獣に対する様々な被害防止のための総合的な取り組みへの支援がなされており、本市でも『藤枝市鳥獣被害防止計画』を3年毎に更新しながら、農業者、農協、猟友会等と連携し被害防止に努めているところであります。
そのような取り組みの中、平成24年3月からは、対策の担い手の確保、捕獲の一層の推進を図るため「鳥獣被害対策実施隊」の設置が農林水産省から奨励されています。また、捕獲した野生動物をジビエ等に再利用し、「命をいただく、命をムダにしない」取り組みも民間事業者により進められるなど新たなビジネスとして注目されるところでもあります。
しかしながら、これまで講じられてきた被害防止対策は、圃場周囲への電気柵やフェンス設置、あるいはワナによる捕獲といった農作物被害防止に主眼が置かれていたため最近では、河川敷や屋敷の庭先等に餌を求めて出没するなど人間への被害も懸念される状況になっています。つまり、これまでの取り組みでは鳥獣の個体数減少は一向に図られず、年々増加する傾向にあることは『鳥獣被害防止計画』の捕獲計画数が一定であることからも明白ではないでしょうか。
農林作物被害防止のみならず人間への被害防止を重視した対策ステージへと進展させなければなりません。さらには、獣肉の再利用を推進することで新たなビジネス創出、雇用の創出といった地方創生に有用に働く資源であることも再認識したいと考えます。
そこで次の7点について伺います。
(1) 本市における直近の過去3年間の農作物被害状況は金額ベースで、どのように推移しているか。併せて被害の軽減目標値をどのように設定されているか、鳥獣の種類別にお示しください。
(2) 『藤枝市鳥獣被害防止計画』(平成28年〜30年度)における捕獲計画数の設定根拠はどのように算出されたか。
(3) 農業者や猟友会員の高齢化等により、捕獲の担い手不足が進んでいるが、今後どのように担い手確保を図っていくか。
(4) 「鳥獣被害対策実施隊」を設置すると、どのような優遇措置や支援措置があるのか。
(5) 「鳥獣被害対策実施隊」の設置市町村は、全国で1,073(H28.4月末現在)あり、『鳥獣被害防止計画』を作成された市町村数の約7割まで増加しているが、本市で設置されない理由は何か。
(6) 農業者がもっとも対策に苦慮しているサルについて、ICT(情報通信技術)を活用した生態調査、移動予測調査等、先進技術を活用した取り組みが有効と考えるが如何か。
(7) 捕獲した鳥獣の処理や再利用について、藤枝市鳥獣被害防止対策協議会や志太榛原地域鳥獣害対策連絡会で協議・計画されている事業はあるか。