令和2年 2月定例会
令和2年2月28日 (代表質問)
大石保幸 (公明党)
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(1) 藤枝型スマート・コンパクトシティについて
(2) 読書のバリアフリーについて
(3) 「GIGAスクール構想」への取り組みについて
(4) 環境施策に関連して
(5) 交流と人財育成について
標題1:藤枝型スマート・コンパクトシティについて
2020年という区切りの本年、10年後の2030年は国連が定めた「持続可能な開発目標」(SDGs)の達成期限であり、20年後は高齢者人口がピークを迎える2040年になります。国連では2030年までを「行動の10年」と位置づけSDGsの達成に向けて取り組みを始めています。
藤枝市の新年度予算においてもSDGsで掲げた目標と重なる点が多く見られますが、幾つかの事業について伺います。
昨年、藤枝市は国土交通省のスマートシティモデル事業に応募しました。全国から73団体の応募がありましたが、国土交通省では公募団体を、事業の熟度が高く全国の牽引役となる先駆的な取り組みを行う「先行モデルプロジェクト」と、国が重点的に支援を実施することで事業の熟度を高め早期の事業化を促進していく「重点事業化促進プロジェクト」の2つに分類しました。
藤枝市はそのうち、単独の自治体としては県内で唯一「先行モデルプロジェクト」15団体の一つに選ばれました。
その後、10月に横浜市で開催された「日ASEANスマートシティ・ネットワーク・ハイレベル会合」に市長がパネリストとして招かれ、本市の取り組みを紹介されました。
今後、本市の取り組む「スマート・コンパクトシティ」はまちづくりの大きな柱になっていくと思いますし、将来的には「サスティナブル」(持続可能)なまちをどう作っていくのかも大切な視点だと思いますが、国土交通省から事業の熟度が高いと評価されたまちづくりの特徴について伺います。
標題2:読書のバリアフリーについて
本年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、特にパラリンピックに向けては、バリアフリーやユニバーサルデザインが改めて注目をされています。
昨年、国において視覚障がい者や発達障がい、寝たきりや上肢障がいのため本が読みづらい身体障がい者の方などの読書環境を改善するための法律「読書バリアフリー法」(視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律)が成立しました。
本市でも点訳や音訳のボランティア活動をしていただいている方たちがおり、私も以前、大活字本の充実について質問しましたが、この法律により今まで以上に誰もが等しく書物に触れ、楽しみ、感動できる社会を実現する切っ掛けになればと思います。
この法律では、国に対して、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する施策を総合的に策定・実施することを求め、地方公共団体には、国との連携を図りつつ、地域の実情を踏まえ、施策を策定・実施すること、を求めています。
また、努力義務ではありますが施策を実施していくための計画を策定していくこととしています。国の計画は本年5月ごろの正式決定に向けて文部科学省と厚生労働省で検討が進んでおりますが、本市としての取り組み姿勢を伺います。
標題3:「GIGAスクール構想」への取り組みについて
昨年12月、文部科学省は「GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想」として、学校ICT環境の抜本的な改善と、ICTを効果的に活用した多様な子供たちを誰一人取り残すことのない公正に個別最適化された学びや、創造性を育む学びの実現を目指していくことを打ち出しました。
特に、児童生徒1人1台の端末と、学校の高速大容量の通信ネットワークについては、特別なものではなく、令和の時代における学校のスタンダードであり、当たり前のものとして整備していくこととされています。
また、昨年6月には、「学校教育の情報化の推進に関する法律」が成立し、国や自治体が、学校教育の情報化の推進に関する施策を総合的・計画的に策定・実施する責務が明確化されています。
今や、仕事だけでなく日常生活を含めて、社会のあらゆる場所でICTの活用は当たり前のものとなっています。これからの時代を生きていく子供たちにとって、ICTは切っても切り離せないものになっています。
今年4月より、小学校から順次全面実施となる新しい学習指導要領でも、「情報活用能力」を「学習の基盤となる資質・能力」とされています。ICTを適切に使いこなす力は、今や以前の「読み書きそろばん」と同じ位置付けと言えます。
「GIGAスクール構想」については、本市が先進的に取り組んできた事業と関連がありますので、以下5点について伺います。
(1) 市長の思いについて
学校におけるICT環境の充実については、全国のモデルとなる様な取り組みをしてきた本市ですが、今まで取り組んでこられた事業に対する手応えとともに「GIGAスクール構想」に本市としてどの様に取り組まれるのか、市長のお考えを伺います。
(2) 今後の計画について
国の「GIGAスクール構想」では、子供たちへの1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークの一体的な整備を目指しており、令和元年度補正予算(案)では、約2,300億円の経費が計上されました。
国は、令和5年度までに、小中学校の全学年で1人1台の端末環境の実現を目指すとしていますが、本市でも国の財政支援を最大限に活用しながら、今まで以上に整備を加速していく必要があると思いますので、実現に向けてのご所見を伺います。
(3) 通信ネットワーク環境の整備について
教師や児童生徒がコンピュータを効果的に使うためには、十分な通信ネットワーク環境が不可欠です。
政府の令和元年度補正予算(案)においては、今回限りの補助となると聞いており、今回の補助を活用しないと、自治体が全額を負担して整備しなければならず、一刻も早く対応すべきと考えます。
今後、どのように、学校の通信ネットワーク環境を整備していかれるのか、お考えを伺います。
(4) 教師の指導力向上について
コンピュータ端末やネットワーク環境など「ハード」を整備することは、あくまでも手段であり、それらをいかに効果的に使い、児童生徒の学びを豊かにしていくかが大切になります。
昨年12月に結果が公表された、OECDが実施した「生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)」では、我が国の学校の授業でのICTの利用時間は残念ながら最下位でした。
「ハード」が整備されても、それが有効に使われなければ意味がなく、指導する教師もICTを活用して指導する力を高めていかなければなりません。
そこで、教師のICT分野での指導力向上にはどの様な取り組みをされていくのか伺います。
(5) 特別支援教育におけるICT活用について
特別支援教育におけるICT機器の活用でも、本市は積極的に導入しているところですが、障がいのある児童生徒にとって、一人一人に応じた最適で効果的な学びを提供するために役立つことにとどまらず、コミュニケーションツールとしても重要なものです。
また、遠隔教育は、病気療養中の子供たちの学習機会の確保にもつながります。特別支援教育の充実に際してICTは欠かせないものとなっていますが、今後の取り組みについて伺います。
標題4:環境施策に関連して
環境については「4K施策」の一つとして取り組んでおり、「官民協働廃プラ・食品ロス対策協議会」もスタートし、県内初で植物由来のゴミ袋導入も報道されたところですが、ここでは環境施策に関連して伺います。
(1) モデル事業後の取り組みについて
藤枝市では以前、「学校給食の実施に伴い発生する廃棄物の3R促進モデル事業」の自治体に環境省から選ばれ取り組んだことがありました。
市内2校で実施したと記憶していますが、その際の成果と継続して取り組んでいる内容について伺います。
(2) ごみの戸別収集について
新年度の新規事業として予定されている高齢者や障がい者などへの「戸別収集事業」実施に向けて、取り組みをしてきた経過と実施体制について伺います。
(3) CO2排出量の実質ゼロ宣言について
地球の温暖化や気候変動によって近年の自然災害の猛威は増してきていると多くの方が感じていると思います。
昨年末に開催された「COP25」(気候変動枠組条約第25回締約国会議)でも「気候変動と防災」が一つのテーマとなりましたし、ある国際NGO団体は、気候変動による災害の発生件数は「過去10年間で5倍にまで増加」しているという報告をしています。
地球に優しい環境への取り組みが災害を減らすことにつながります。2015年に合意された「パリ協定」が本年からスタートしましたが、気候変動への危機感を今まで以上に持つべきだと思います。
昨年のCOP25を受けて、年末に環境大臣がメッセージを発信していますが、市民の環境への意識も高く「環境日本一」に取り組んでいる本市としては、「2050年までのCO2排出量の実質ゼロ」(ゼロカーボンシティ)宣言をするべきではないかと考えますがご所見を伺います。
標題5:交流と人財育成について
(1) 今後の交流について
まちや人が成長していく上で、人の往来や経済的な関係も含め「交流」は欠かせません。藤枝市では海外や国内に姉妹都市・友好都市・交流都市が存在し、個別の企業と連携協定を結んでいる場合や、ある特定の分野での交流もあります。
今年開催されるオリンピック・パラリンピックを契機としたイタリアチームとの交流も行われていますが、今までの交流の取り組みをどう継続していくのか、ご所見を伺います。
(2) 人財育成の取り組みに関連して
令和2年度では従来にも増して戦略的に「人づくり」を推進していく方針が示され「人財育成センター」が設置されます。
様々な人財育成に向けた取り組みが事業として計画されていますが、その一つに「姉妹都市等諸外国との国際交流を通じた対外調整能力の向上」と掲げられていますので、その内容を伺います。
(3) 就職氷河期世代への取り組みについて
新年度の重点戦略における『産業としごとを作る健康都市』の「力強い地域産業と人材、雇用を創る」では「多世代型の人材育成を推進」を掲げ、就職氷河期世代についても触れています。
国でも、就職氷河期世代への支援を推進しているところですが、市としては就職氷河期世代へどの様な取り組みをされていくのか伺います。