令和2年藤枝市議会定例会9月定例月議会
令和2年9月9日 (一般質問)
平井登 (志太創生会)
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(1) コロナ・ショックが変える“まちづくり”
― 第6次総合計画策定方針への影響を問う ―
標題1:コロナ・ショックが変える“まちづくり”
―第6次総合計画策定方針への影響を問う―
平成20年(2008年)6月、5代目市長に就任され、これまで3期12年にわたり本市の安定した発展と志太榛原圏域における中核都市としてのイメージアップを推し進め、バランスよい政治手腕を発揮されている北村市長の4期目の初っ端は、約100年前のパンデミック「スペイン風邪」以来の目に見えない敵との戦いという、かつての歴代市長が経験されたことのない強烈な試練の直中に立たされています。
また、市長は新型コロナウイルス感染症対策に追われる一方で、『第5次総合計画』(期間:2011〜2020年度)をはじめとした24件もの主要計画が、令和2年度(2020年度)に終了となるため、同年度末の完成、公表に向け、それぞれの新たな計画策定作業に臨まれているところでもあります。
とりわけ、最上位計画である『第6次総合計画』(期間:2021〜2030年度)策定の現在の工程は、前年度実施した市民意向調査と人口や産業等の各種データ解析を参考に、市長を中心とした行政経営会議、策定委員会、委託業者等により基本方針案・基本構想案・基本計画案を作られている状況と存じます。これらの案は今後、教育・農業・福祉・医療・産業・文化・スポーツ・金融・観光等々の様々な分野の代表者で構成された審議会をはじめ、議会や現在行っている地区別市民会議、その後のパブリックコメントを踏まえる中で得られる意見、情報等を調整し反映させる段階へと進みます。
さて、新型コロナウイルスによるパンデミックは、社会経済情勢を急激に悪化させたと同時に保健・医療体制の不備や脆弱性を露呈させ、さらには人々の価値観や就業形態、生活様式を転換させるほどの劇的画期を呼び込んでいると多くの市民は実感とともに認識しているのではないでしょうか。
行政運営の羅針盤となる最上位計画の策定基礎資料が、新型コロナ以前である前年度実施の市民意向調査や人口、産業等の解析データに依拠する計画案では、ウィズコロナ、ポストコロナ時代に向け、的確で独創性のある政策を描けないと憂慮し、3つのポイントについて、市長のお考えを伺います。
(1) ポイント1 首都圏から地方への潮流に応えられるか?
@都市構造上、3密(密閉・密集・密接)環境に身を置かれやすい首都圏や大都市では、今後、地方への移住や移転を望む人々や企業、大学等が増えることが多分に予想されます。本市の地理的位置や住環境、産業構造を生かした受け皿づくりの新たな政策方針を示されているか伺います。
A特に、本市の約70%もの面積を占める自然豊かな中山間地域は、持続可能なまちづくりにとっての資源供給地となり受け皿にもなりますが、中山間地域の再興につながる新たな政策方針を示されているか伺います。
(2) ポイント2 集中から分散への空間志向に応えられるか?
@リモートワーク、テレワークと呼ばれる非出勤型の働き方は、ウイルス感染拡大防止や時間の有効活用の面で大きな成果を実証しており、今後、民間、公共を問わず積極的に導入されていくと考えます。この移動と対面を抑制する勤務形態、学習形態、あるいは診療形態等を捉えた政策方針を示されているか伺います。
Aコンパクトシティ+ネットワーク構想は、行財政効率を優先する発想でありますが、パンデミックは嘲笑うかのようにその構想を打ち砕いていると感じました。本市の温暖な気候と自然豊かで変化に富む環境のもと、山あいや平野部にバランス良く集落を形成し生活するスタイルこそ、祖先の英知であり、持続可能な国づくりの原点だと改めて確信しました。
本市の地勢や土地柄に相応しい構想となるよう、新たな政策方針を示されているか伺います。
(3) ポイント3 7割経済とウィズコロナ下の税収減に応えられるか?
@3密回避とソーシャルディスタンスにより、一気に客足が遠のいた飲食業や宿泊業をはじめとして、本市の多くの事業所、自営業者、農業者等の売上・収入は後退しました。今後の景気もコロナ以前に戻ることはないとも予想され、いわゆる「7割経済」時代に即した行財政経営が求められると考えます。また、ワクチン開発が通常4〜5年かかることを勘案すれば、人間の行動を抑制する今回のコロナ・ショックは5年程度続くことも十分考えられますが、それによる大幅な税収減(市税・地方交付税等)に対し、どのような政策方針を示されているか伺います。