令和3年藤枝市議会定例会2月定例月議会
令和3年3月1日 (一般質問)
鈴木岳幸 (市民クラブ)
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(1) 貧困問題について
標題1:貧困問題について
貧困状態というものには、絶対的貧困と相対的貧困があり、絶対的貧困は衣食住が維持できない生命の危機に瀕する状態で、相対的貧困は等価可処分所得の中央値の半分以下の収入しかない状態のことです。日本では、おおむね可処分所得が122万円以下であると、相対的貧困であるとされています。2018年の厚労省のデータによれば、相対的貧困者は全体の15.4%であり、その後のコロナ禍により、さらにその数値が増加することが懸念されています。
そこで、貧困問題に関連する以下の点についてお尋ねします。
(1) 学生の貧困について
学生は、学業に注力して学生生活を送ることが本分ではありますが、アルバイトによる収入なしには生活が成り立たない方も多くいるのが現状であります。しかしそのアルバイトする勤務先が休業したり閉鎖されたりして、収入が途絶え、極度の生活苦に陥る学生が多くいます。学業をあきらめ、退学を決意する学生も多く、これは社会の財産である若者が未来を奪われてしまうという由々しき事態となっています。市内に大学のキャンパスもある藤枝市にとっても、学生の窮状は看過できないものであります。政府は昨年、学生支援緊急給付金などの制度を実施しましたが、ここまでコロナ不況が続いてくると、さらなる給付などが求められています。そこで、市による学生への生活支援について、どのように行われているか、伺います。
(2) 非正規雇用者について
非正規雇用者は、雇用が流動的であり、不況により職を失う危険性が正規職員よりも高いといえます。事業主に雇用を維持していただくために、雇用調整助成金などの制度がありますが、藤枝市では同様の制度や支援策はどのように行われているか、あらたな取り組みはできるか、伺います。
(3) ひとり親世帯について
ひとり親世帯は全国に約142万世帯あり、その約86%がシングルマザーです。シングルマザーの平均年収は約200万円で、シングルファザーの約半分です(平成28年厚労省統計による)。
このように、ひとり親世帯は経済状態が厳しく、相対的貧困率は50%を超えています。これは子供の貧困に直結する大問題であります。国の制度では、ひとり親世帯臨時特別給付金の制度が実施されています。藤枝市でも、小学校入学時の助成金などがあるが、このコロナ不況は先の見えないものであるため、ひとり親世帯へ、とくにシングルマザー世帯への給付金などを行うことはできないか、伺います。
(4) 就学援助制度について
就学援助制度は、貧困状態にある家庭にあっても教育の機会を確保する非常に重要な制度ですが、実施主体が市町村であるため、自治体ごとに運用に差が出ることが問題であるとも言われています。そこで、藤枝市においては適用の基準はどうなっているか、近隣市町との差異はないか、利用しやすくする取り組みはあるか、伺います。
(5) 住居確保について
昨年11月に、派遣のパート労働をしていた女性がコロナ不況により住む場所を失い、東京都渋谷区のバス停で寝ているところを暴漢に襲われ死亡した事件は、世間に衝撃を与えました。非正規雇用の方は職を失うと同時に住居を無くす可能性もあります。市内の失業者が住居を失わなくて済むような取り組みとして、住居確保給付金があるが、この制度の利用者数の推移はどうなっているか、またその利用期限が切れた場合にはどうなるか、シェルターや市営住宅への入居はできないか、伺います。