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質問通告内容

会議名

令和3年藤枝市議会定例会6月定例月議会

質問日

令和3年6月15日 (一般質問)

議員名

石井通春 (日本共産党)
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通告内容

(1)  自治体デジタル化にどう立ち向かうか〜個人情報保護の欠落、地方自治の侵害〜

質問要旨

標題1:自治体デジタル化にどう立ち向かうか〜個人情報保護の欠落、地方自治の侵害〜

 デジタル問題は2月議会で取り上げたが、その後、国会でデジタル関連6法案が採決された。
 政府提出資料の相次ぐミス、膨大な内容の法案を一括審議に付す乱暴さ、28項目にも及ぶ付帯決議の多さは、碌な審議もないまま自公維新が国民の声に応えず強行したものである。
 今議会では、特に大きな問題になっている個人情報保護と地方自治権への侵害の点から下記質問する。

(1) デジタル化が目指すもの
 デジタル化の遅れがコロナに対応できない理由としているが、そもそも行政のデジタル化は財界(経団連)が言い出した事であり安倍政権の時から進められておりコロナ対応を念頭にしたものではない。
 菅総理は「データが競争力の源泉」であり、「自治体が持つ情報を産業競争力の向上に用いる」と言っているとおり、真の目的は企業が儲けるためのデジタル化ではないか。市民が求めたものではないと本市も2月議会において事実上認めている。この認識に市はまず立つべきではないか。

(2) マイナンバーカード、これまでの言い方との矛盾
 税、社会保障、災害の3分野での活用とされていたマイナンバーカードが、基本&整備法では税理士や医療介護社会福祉等国家資格保有者によるマイナンバーでの情報管理を進めるとし、年金や児童手当受給者を手始めに国が資産状況を把握する事も認めている。分散管理から集積へと制度の性格が大きく変えられた。情報を収集するツールとして活用する本性がいよいよ明白になったわけだが、利便性の向上を主な理由として他市以上に本制度を進めてきた藤枝市はこの変遷をどう説明するか。

(3) コストの削減を具体的に示せるか
 デジタル化の利点の一つに主要17業務の国へのシステム移行(ガバメントクラウド)によるコストの削減があげられているが、引っ越しに伴う費用の全額を国が見ることになっているのか。作業実施に伴う費用負担を相殺してコストが削減するという事を示せるか。

(4) 地方独自の制度を守る市の取組
 @ガバメントクラウドによる影響で最も懸念されるのが、地方で築き上げてきた様々な独自サービスが、標準仕様にないという理由で削減を強いられかねないという地方自治を破壊する問題である。
 2月議会では、17業務一つ一つ突合する中で標準システム共通化によって独自サービスが低下しないようする確約をしたが、閣議決定はそれ(カスタマイズ)を認めていない。これに立ち向かえるのか。
 A実行計画では今年7月にいくつかの標準仕様書を作成するとしている。その一つであり自治体間でサービスに差がある就学援助について、標準仕様書と本市が現在行っているサービスとの相違や実施内容はどうなっているか。(まだ示されていない場合、どう対応するか)
 B新たに設置されるデジタル庁は、復興庁等と違い内閣の下におかれ総合調整機能が担保される。その為、総務省を通じ自治体の情報システムにも口をはさむ「勧告権」を持つ。17業務のうち14業務は自治事務という事も併せ、このあり方は地方創生とも相容れず、地方自治への破壊そのものではないのか。

(5) 地方自治の鏡でもある個人情報保護制度の破壊
 自治体が持つ個人情報(医療、介護など)を活用して財界がビジネスに利用するというのが目的なので、地方の実情に合わせて作られてきた個人情報が保護ではなく提供に切り替えられた。
 本市を含め各自治体が設置している保護条例は今後廃止され、新たに設置される個人情報保護委員会に一元化される。
 この問題に対し国会で明らかになった下記の点を踏まえて、住民情報を守ってきた自治体がこのまま国に従って進めていくべきものと考えるのかを問う。
 @非識別加工情報(個人情報を匿名化した情報)を自治体に対して民間に向けて利活用するオープンデータ化への事実上の強制
 A国が示す共通ルール以上の、保護基準の上乗せがほぼ禁止される事
 B現在、市が原則禁止している市情報と他情報との連携(オンライン結合)の撤廃

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