令和3年藤枝市議会定例会11月定例月議会
令和3年12月2日 (一般質問)
平井登 (志太創生会)
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(1) 新たな局面を迎えた中山間地域の移住定住促進事業
〜 行政と住民等の協働体制で地域の未来づくりを 〜
標題1:新たな局面を迎えた中山間地域の移住定住促進事業
〜 行政と住民等の協働体制で地域の未来づくりを 〜
平成23年に始まった「空き家バンク」制度は、当時新設された中山間地域活性化推進室の主要事業に位置付けられ、人口流出と少子高齢化が著しい中山間地域の衰退を抑える切り札としてスタートしました。同制度では、当該地域にある空き家を移住者の入居先とするものですが、同室の地道で誠実な調査や、地域住民への粘り強い事業周知活動、そして、首都圏へ出向いての移住相談会では、田舎暮らしを希望する方への丁寧なプレゼンテーションとプロモーションにより、本市を移住希望先ランクの上位に押し上げるなど、使命感と熱意を持って鋭意取り組まれました。その結果、事業開始から令和3年10月末までに、52世帯が移住され、18人の出生を含めて148人が中山間地域の住民となっていただきました。
また、平成29年度には、「優良田園住宅建築促進事業」制度が加わり、新築の戸建て住宅で田舎暮らしが実現可能になるなど、本市の移住定住対策は、事業の枠と住まい方の選択肢を拡げています。
しかしながら、この2つの事業はコロナ禍による大きな影響もありますが、ここ数年は停滞気味で、さる9月の決算特別委員会では、私をはじめとした委員から、推進体制、取組姿勢に問題があるのではないかとの指摘がありました。そのようなことから、今回の質問を通して、今後の移住定住促進事業の取組み方について、本市の新たな体制づくりを強く求めつつも、一方で、中山間地域の住民には、この危機的な人口減少、少子高齢化を克服していくために、これまでのような行政頼み一辺倒では前途は開かれないことを認識していただくと同時に、住民自らが課題解決に主体的に取組むことこそ必要不可欠であると考えるようになりました。
地域の未来を担う若者と子育てファミリーの移住先確保、定住の受け皿となる宅地確保など、地域に精通し、信頼し合える住民でなければ果たせない役割が今、明確化されていると確信しています。そこで、以下6点について、北村市長及び担当部長に質問致します。
(1) 「空き家バンク」事業の開始から直近まで10年の実績を重ねる中で、浮かび上がってきた課題は何でしょうか。伺います。
(2) 本年2月の代表質問で、「空き家バンク利用者登録をされた方へのお試し移住」を提言したところ、実施を前向きに検討される旨のご回答をいただきましたが、検討状況を伺います。
(3) 本市へ移住された母親たち10名で編成されている「さとやママ」は、田舎暮らしの夢が実現できるよう、自らの経験を活かされ、移住希望者や移住間もないファミリーのさまざまな相談に応じ、寄り添う活動をされています。これまでの活動への評価及び現在の課題を伺います。
(4) 「さとやママ」と来年度の委託契約について、所管する部課との役割分担をどのように考えられているのか。具体の業務内容を伺います。
(5) 去る10月、令和4年度の予算編成に向けて、市議会及び志太創生会から、中山間地域の移住定住対策についての提言を致しました。その提言主旨は、これまで中山間地域活性化推進課が所管していた本事業を部局横断的な全庁体制、又は、専門的に推進する部署の新設等で取り組まれるよう提言しましたが、ご見解・ご回答を伺います。
(6) 標題の要旨・内容の中でも触れましたが、これまでの移住定住促進事業は、行政主導で計画・立案し、所管する課の職員が推進するという展開でしたが、現在は、登録物件不足・情報発信不足・庁内の連携不足、そして、地域住民との関係不足等により、事業推進に壁が生じ、低迷しているものと推察しています。
本市として今後は、本庁の新たな体制づくりと併せて中山間地域の住民との協働体制を創築され、必要な指導と支援・助成を施していくことこそ重要ではないかと考えます。そこで提案ですが、移住定住の受け皿となる空き家、空き地、白地等の調査や物件登録を推進できる、地域に精通した住民との連携体制(例えば、「移住定住物件調査委員」として委嘱する等)を構築すれば、物件確保の確実性と充実性が高まると考えます。そして、移住希望者の相談役である「さとやママ」に、マッチングまで行ってもらえれば事業がスムーズかつ継続的に推進され、担当課の役割も明確になると考えます。この提案について、ご見解を伺います。