令和4年藤枝市議会定例会2月定例月議会
令和4年3月3日 (一般質問)
平井登 (志太創生会)
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(1) オーガニックビレッジ宣言で 藤枝を有機の里に
標題1:オーガニックビレッジ宣言で 藤枝を有機の里に
農水省はCO2ゼロエミッション化実現の一環として、令和3年5月に「みどりの食料システム戦略」を策定しています。これは、地球温暖化や生物多様性の損失など、SDGsに深く関わる課題の解決に向けた「食料・農林水産業の生産性向上と持続性の両立をイノベーションで実現」するための戦略であります。
この「みどりの食料システム戦略」の中で特筆すべきことは、全国における有機農業の農地面積を現在の約2万4千ヘクタールから、2050年までに約40倍に当たる100万ヘクタール、つまり全農地面積の25%にまで増やすという目標を掲げたところにあります。有機農業により、温暖化ガスの排出を減らし、また、空気中の二酸化炭素を吸収して土壌等に固定することが可能なこと。そして、農薬や除草剤を使わないことで生物多様性の維持・回復に役立つという認識のもとに具体の目標が立てられています。
このように急激に脚光を浴びることとなった有機農業ですが、実は本市は県内でも有数の有機農業の先進地であることをご存じでしょうか。最近でこそ輸出需要の高まりから他市町でも少しずつ栽培面積を増やしている有機緑茶ですが、本市においてはすでに1970年代から瀬戸谷地区等において取り組む農家が現れていました。また、平野部では有機水稲栽培に20年以上取り組み、全国で初めて酒米「山田錦」の有機栽培に成功している生産者もおります。他方で、蓮華寺池公園の一角では10年ほど前から毎月1〜2回、地元の有機農産物やそれを使った食事等を揃えたオーガ ニックマーケットが生産者と消費者の協働で開催されています。
このような年季の入った事例を見ますと、国、県を挙げて有機農業に取り組もうとしている中、本市はその先頭に立って、これをリードすることができると考え、国が推進する「オーガニックビレッジ宣言」を表明されたく、以下4点について、北村市長及び担当部長の見解を伺います。
(1) 本市における有機農業の現状について、取組農家数、栽培品目、栽培面積及び市内の経営耕地全体に占める割合を伺います。
(2) 本市の基幹作物である緑茶は、国内需要の頭打ちや価格の低迷といった課題に直面している一方で、海外における新市場開拓が期待されている作物でもあります。相手国の検疫体制へ対応するため、茶の輸出拡大を図るには有機栽培への転換が不可欠となりますが、JAS法に基づく有機認証取得の促進施策について、本市の取組状況を伺います。
(3) 2050年までに国が目標とする、全耕地面積に占める有機農業の取組面積割合25%の達成に向け、本市として今後どのような取組を進めていく考えであるか伺います。
(4) 農水省は、「みどりの食料システム戦略」推進のため、有機農業推進のモデル的先進地区、いわゆる「オーガニックビレッジ」を2025年までに全国100市町村、2030年までに200市町村を創出するという目標を掲げています。
持続可能な農業、未来の農業の姿を見据えながら有機栽培に取り組んでいる緑茶や水稲等の生産農家はもとより、市民レベルでのオーガニック推進活動が盛んな本市こそ、全国に先駆けてオーガニックビレッジに向けたアクションをとるべきと考えますが、北村市長の見解を伺います。