令和4年藤枝市議会定例会9月定例月議会
令和4年9月7日 (一般質問)
平井登 (藤のまち未来)
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(1) 山間地集落に存在する小規模水道にどう向き合うか
標題1:山間地集落に存在する小規模水道にどう向き合うか
本市の水道事業は、市域の約70%を中山間地域が占めるという地理的環境もあり、水道普及率は全国の平均98.1%や県の99.1%よりも低い94.3%(典拠:令和3年度版藤枝市水道事業年報)になっています。
大井川、瀬戸川、朝比奈川など恵まれた水系流域の地下水は、水質も良く安定した水道事業の源となっており、平野部においては、各流域に設けた深井戸から水中ポンプにより揚水し、その原水を送水場で滅菌後、飲料水として各家庭に給水しています。また、山間部にあっては、水源地から表流水を受水し、配水場で滅菌後に各家庭に給水する方法や、井戸ポンプにより揚水し、配水場で滅菌後に各家庭に給水する方法の旧簡易水道(令和2年度、簡易水道事業が上水道事業に統合される)があります。
以上の施設により給水を受ける地区が、本市水道事業でいうところの「上水道給水区域」に該当します。
この他に、今回の質問対象である中山間地域の集落において、住民の運営により設置され、滅菌を含め維持管理されている「飲料水供給施設(給水人口100人以下)」が38箇所あります。※便宜上「小規模水道A」と呼ぶ
一方で、この「飲料水供給施設」に登録されていない、住民運営の小規模給水施設も存在しています。※便宜上「小規模水道B」と呼ぶ
さらには、戸別に表流水もしくは井戸ポンプにより飲料水・生活用水を確保している家庭も数多くあります。※便宜上「小規模水道C」と呼ぶ
これら山間地の給水人口100人以下の小規模水道は、『水道法』の水道事業の範囲外ではありますが、その水は住民のまさにライフラインであるため、水の安全性や今後の安定供給について、本市も把握され、必要な支援や助成を施す必要があると考える次第です。
そこで、以下6点について、北村市長及び担当部長のご見解を伺います。
(1) 「小規模水道A」は、民営であるため集落内の住民が設置し、保守・管理等を行っています。市としてこれまで、同施設に対し、どのような支援・助成をされて来ているのか伺います。
(2) 「小規模水道A」の老朽化が進んでいますが、ポンプや滅菌装置、配水管の修繕や更新に必要な技術支援や資金助成を行う考えがあるか伺います。
(3) 「小規模水道B」に該当する施設の設置数や給水人口等の状況を把握されているか伺います。
(4) 「小規模水道B」については、住民の高齢化による維持管理の困難や、温暖化の影響による水源枯渇の危惧、地下水の水位低下、配水管の老朽化と漏水等々、深刻な状況になっている集落もありますが、今後、市として支援や助成等を考えられるのか、ご見解を伺います。
(5) 「小規模水道B」と「小規模水道C」は、塩素滅菌することなく利用されています。今後、水質検査の指導や検査費の助成等をする考えがあるか伺います。
(6) 「小規模水道B・C」については、水源である山の荒廃と野生鳥獣の増加による水質への不安や、集落から離れた場所(施設)の保守管理作業の危険、あるいは温暖化による水源そのものの枯渇、地下水の水位低下等々の課題が山積しています。他方で、本市の地方自治体としての将来性、発展性の面、とりわけ当該地域への移住定住を促す空き家バンク事業やSDGsの観点からも、山間地の小規模水道の安全性や安定性の確保について、正面から向き合い、対策を講じていただきたいと考えますが、ご見解を伺います。