令和4年藤枝市議会定例会11月定例月議会
令和4年12月2日 (一般質問)
平井登 (藤のまち未来)
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(1) 台風15号の教訓から防災組織体制の改善・改編を!
(2) オーガニックビレッジの戦略的取組について
標題1:台風15号の教訓から防災組織体制の改善・改編を!
去る9月の台風15号と線状降水帯による被害は、近年経験したことのない甚大なものとなりました。幸いにも人的被害はなかったものの平野部の内水氾濫による住宅の床上・床下浸水等や、山間部における崩土、土石流による家屋やライフラインへの被害と、さらには、洪水による河川の橋脚流出、護岸の崩落等の被害が多発しました。
今回の大規模災害は、勢力を弱めた台風と線状降水帯による、しかも3連休中の深夜の豪雨だったために、住民避難や被害対応の判断や行動が難しく、いわば“不意打ちを食らった”感があったと思います。そのためか、市当局の初動体制や問合せ対応も万全ではなかったとの指摘や、被災者への支援対策、被害箇所の復旧対策への不満、また一方で、自主防災会を含む自治会町内会レベルの活動状況に温度差(地域差)があったことと、一体だれが指揮命令すべきか分からないなどの混迷ぶりも一部で露呈しました。
そこで、北村市長及び担当部長に以下3点について質問いたします。
(1) 大規模災害対策課・地域防災課と協働政策課は、今回の災害対応について、どのように振り返えられ、課題を見い出されたのか伺います。
(2) 災害時における庁内組織の連携や役割(所掌事務)は『藤枝市地域防災計画』で明確化されていますが、市当局と自主防災会を含む自治会町内会レベルでの役割分担や指揮命令系統について、明確化されたものが整備され、関係者に周知されているか伺います。
(3) 現在のままでは、自治会町内会役員の選任の度に、防災意識が変わってしまうことや、防災は人の命に直接かかわる重大な事項が多いことから、今後は自治会町内会と自主防災会を分離すると同時に、自治会町内会の上部組織に位置付けする必要があると考えます。そうすれば、指揮命令系統、役割が明確化され、市当局及び自治会町内会との連携や様々な支援要請、被害状況調査等も迅速に実行されていくと思います。この自主防災会の組織改編提案について、ご所見を伺います。
標題2:オーガニックビレッジの戦略的取組について
本年2月の定例月議会の一般質問において私は、国が目指すCO2ゼロエミッション化実現の一環として策定された農林水産省の『みどりの食料システム戦略』における有機農業推進のモデル的先進地区の指定、いわゆる「オーガニックビレッジ」について、本市こそ、その宣言をするにふさわしい歴史的歩みと実績、大きなポテンシャルがあることを提起いたしました。これに対し、北村市長は、「気候変動による自然災害の頻発や地力低下に伴う農産物の品質低下、化学農薬による病害虫の薬剤抵抗性の発達、化学肥料原料の海外依存による供給の不安定化など、多くの課題に直面している中、本市独自のローカルSDGsに掲げる〈食の安全を守り、持続可能な農業をつくる〉という目標を実現するために、有機農業振興は、まさにその取組の中核になるものである」と答えられました。また、「本市の有機農業は県内有数の実績を有し、積極的な活動をおこなっている生産者や団体も多いため、こうした方々と意見交換を重ねながら、本市の現状に適した有機農業のあり方を検討していく」。さらに、「この取組を効果的なものとするためには、加工や流通、消費等にかかわる事業者や市民の意識醸成と行動変容も必要であるため、多様な主体の参画による有機農業の推進に向けたプラットフォームを構築し、あわせて、生産から加工・流通、消費に至るまでの全方位的な取組を検討し、総合的な戦略をもって、オーガニックビレッジの名乗りを内外に示していきたい」と力強い答弁をいただきました。
そして、9月定例月議会の補正予算をはじめ「令和5年度藤枝市戦略方針」の中でも「有機農業拡大と地域ブランド化の促進」を重点事業に位置付けられました。
そこで、このオーガニックビレッジの戦略的推進体制について、現在の取組状況や今後の具体的構想について、市長及び担当部長に質問いたします。
(1) オーガニックビレッジ推進のために、主導的立場にある行政当局と、コーディネーター役のNPO法人しずおかオーガニックウェブ、そして、生産者、加工業者、販売業者、病院・学校等の給食運営主体、JA大井川、その他市民団体等々から成るプラットフォームの構築について、現在どのような働きかけをしているか伺います。
(2) 取り組まれている「人・農地プランの実質化」の中で、有機栽培に挑む新規就農者や生産者の確保、そして、慣行栽培農地と隔てる必要のある有機栽培農地の確保(集約化・団地化)について、どのように計画され実現を図られるのか伺います。
(3) 令和10年度運営開始予定の新学校給食センターの基本理念「持続可能で、だれにも安全・安心でおいしい給食の提供」とオーガニックビレッジの理念は密接に関係し、大口の需要及び消費先としても最有力であると考えます。また、『藤枝市地産地消の推進に関する条例』を鑑みれば、本市農業の発展や将来像にも大きな夢が育まれ、期待も高まっていくと思われますが、当局として、どのような構想を描かれ、戦略的に取り組まれていくのか伺います。