令和5年9月藤枝市議会定例月議会
令和5年9月11日 (一般質問)
平井登 (藤のまち未来)
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(1) 熱中症対策の現状と望まれる屋外労働者への支援・補助
(2) 中山間地域の飲料水供給施設助成事業等の状況について
標題1:熱中症対策の現状と望まれる屋外労働者への支援・補助
地球温暖化の影響により近年は、全国的に熱中症による死亡者数や救急搬送者数が著しく増加傾向にあります。本市でも今夏、連日35℃前後の猛暑が続いた7〜8月でしたが、農家の古老曰く「90年生きてきたが、こんなに暑い日が続く夏はないよ。年々間違いなく暑くなっているよ」。また、「炎天下での仕事は命がけだ。外で働く人はますます少なくなるね。困ったもんだ」と悲痛ともいえる表情で話してくれました。
さて、国はこれまで気象庁の高温注意情報や環境省の暑さ指数(WBGT:気温、湿度、陽射・輻射熱からなる熱中症の危険性を示す指標)によって国民に注意を呼びかけてきましたが、令和3年度からは、同省と同庁の連携による「熱中症警戒アラート」を発信し運用するようになりました。
これは、国民に危険な暑さへの注意呼びかけと熱中症予防の行動をとっていただくよう促すための情報で、本市では、キックオフメールや公式LINE等で市民に発信しています。本県では、このアラートが7月中旬から8月中旬までの間に23回発表されました。
また、アメリカNASAの発表によりますと、今年7月の世界の平均気温は、データのある1880年(明治13年)以降で最高になったと報道され、日本列島もその高温エリアにすっぽり包まれていましたが、先述の古老の話とも符合することであり、熱中症対策のさらなる研究・検討と同時に、特に標題に示した“炎天下で仕事する屋外労働者への支援”は、喫緊の課題だと考えます。
市民に注意や予防行動を促すソフト対策もたいへん重要ではありますが、「熱中症警戒アラート」が頻繁に発表されては、屋外労働者の仕事は成り立たず、作業の停滞、生産性低下、生産物の供給不足等、収入や経済への打撃をはじめ、無理を押して働いた時の熱中症による生命の危機や健康障害など、深刻な問題へと繋がります。そこで、以下6点について、市長、病院事業管理者、部局長に質問いたします。
(1) 本市における令和3年度から5年度現在の熱中症患者の状況(死亡者数、救急搬送者数、年代、症状など)を伺います。
(2) 熱中症患者の応急処置方法及び病院で行われる治療方法を伺います。
(3) 本市の、熱中症対策(ハード、ソフト)の取組状況と、課題を伺います。
(4) 「熱中症警戒アラート」が発表された時、屋外労働者はどのような行動を実際にとられているか調査を行うとともに、調査結果を基に、新たな施策を早急に練る必要があると考えますが見解を伺います。
(5) 温暖化が進むと、屋外労働者の日中作業は益々過酷となり、生産性低下や人手不足等のため廃業へとつながる懸念も生じています。それによる税収への影響もありますが、本市として、どのような救済策・対応策を講じていくのか伺います。
(6) まずは早急に、熱中症リスクをもろに受け、且つ又冷房設備等の設置が不可能な屋外労働者(建設・土木業、農林・造園業、警備業など)を対象に、熱中症予防に効果の高い「送風ファン付作業服」の購入補助金制度を設けていただきたいと考えますが、所見を伺います。
標題2:中山間地域の飲料水供給施設助成事業等の状況について
昨年9月の定例月議会の一般質問において私は、「山間地集落に存在する小規模水道にどう向き合うか」を標題に、地方自治体の責務として、上水道給水区域の外にあり旧簡易水道施設のない地区や集落の戸別又は数戸共同で運営している小規模水道施設への支援・助成の必要性を訴えました。
これに対し北村市長は、「小規模水道の在り方という根本的な課題解決に向け、新たな助成制度を検討し、小規模水道利用者の安全で安心な水の確保に努める」と明言されました。そして、9月23日から24日に襲来した台風15号の猛威により破壊・埋没した小規模水道施設や断水した集落に対しては、速やかな応急措置を講じていただきましたが、そのことを含め実に見事だったのは3か月後に、具体の制度『藤枝市飲料水供給施設維持管理事業費補助金制度』を策定、施行したことでした。
この新たな制度により、中山間地域に存在する家庭の小規模飲料水供給施設はすべて対象となり、工事経費の2分の1以内、100万円を上限に補助するという手厚い助成事業が実現しました。
施設の老朽化や維持困難、地下水位の低下等で困っていた家庭には本当にありがたい制度として歓迎され、制度の周知直後から環境水道部・上水道課への問い合わせや制度利用の相談及び申請が相次いでいると伺っています。そこで本補助金制度の利用状況と懸案事項について、以下伺います。
(1) 本補助金制度の利用状況について、これまでの申請数(戸別・共同等)、地区、申請理由、工事内容などを伺います。
(2) 令和5年度当初予算500万円に対しての執行状況と今後の事業見通し(申請数・事業費等)を伺います。
(3) 昨年9月の台風15号で被災した助宗橋の応急工事及び復旧工事により、右岸寺島地区、左岸助宗地区の戸別井戸、共同井戸に濁りや井戸枯れが生じ大きな問題になりました。
現在は、戸別の井戸改設と出水期による復旧工事の中断で、何とか井戸水の確保が図られましたが、非出水期に再開する本格復旧工事により三度井戸の濁りや井戸枯れが起こる懸念があるため、稲葉第二自治会(寺島・助宗・宮原)からは、北部学校給食センターまで来ている上水道の延伸要望が出されています。
これに対し当局では、その設計や概算、工程、戸別負担等についての案作りを約束されましたが、その進捗状況及び実現に向けての自治会・町内会の取組み方について伺います。