令和5年11月藤枝市議会定例月議会
令和5年11月30日 (一般質問)
大石保幸 (公明党)
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(1) プレコンセプションケアへの取組みについて
(2) ロケツーリズムへの取組みについて
標題1:プレコンセプションケアへの取組みについて
(1) 市としての見解について
「プレコンセプションケア」の「コンセプション」は、おなかの中に新しい命を授かることとされ、「プレコンセプションケア」とは若い世代が将来の妊娠・出産を含めたライフプランを考えて日々の生活や健康と向き合うことをいい、次世代を担う子どもの健康にもつながるとして注目されているヘルスケアのことになります。
WHOでは、「妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと」と難しい表現になっていますが、日本でも「第5次男女共同参画基本計画」(計画期間:2021〜2025年)の第7分野「学童・思春期」の部分に「プレコンセプションケア」が記載され、令和3年2月に閣議決定された「成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」では、同ケアを「女性やカップルを対象として将来の妊娠のための健康管理を促す取組み」と定義されています。
若い時には自分自身の健康についてあまり関心を持たない傾向にありますが、厚生労働省では、令和4年度からプレコンセプションケアを含めた施策として「性と健康の相談センター事業」を開始しました。具体的には、思春期から高齢期までライフステージに応じた切れ目のない女性の健康づくりへの支援の取組みであり、妊娠を考えている女性だけではなく、思春期以降、妊娠可能な年齢の全女性に必要なものですし、女性の健康を支えるパートナーや家族、職場で健康支援を担当している方々への周知も重要です。
そこで、「プレコンセプションケア」について市ではどのように捉えておられるのか見解を伺います。
(2) 教育現場での取組みについて
先に挙げた、成育医療等の提供に関する基本的な方針は本年3月に改定されましたが、その中の、学校教育及び生涯学習の項目では、「男女を問わず、妊娠・出産等に関する医学的・科学的に正しい知識の普及・啓発を学校教育段階から推進する。」と記載されており、さらに、「こどもの成長や発達に関する国民全体の理解を深めるための普及啓発を促進する。」とも記載されています。
現在、学校で行われている保健教育・健康教育に、将来のライフプランやヘルスケアの理念を踏まえていくことが今後重要になると思われますので、児童・生徒の心と体の健全な育成に向けた健康教育への取組みについて伺います。
(3) 今後の普及啓発について
国立成育医療研究センターでは、日本で初めてプレコンセプションケアセンターを開設されましたが、女性用と男性用の簡易的なプレコンチェックシートをホームページで公開しています。
女性用は、バランスのよい食事を心がける、ストレスをため込まないなどの20項目で、男性用は、たばこや危険ドラッグ、過度の飲酒をやめようなどの9項目となっています。
既に、ホームページでプレコンセプションケアを掲載している自治体では、成育医療研究センターにアクセスしてチェックシートがダウンロードできるようにリンクを貼っているところが見受けられますが、本市もホームページでプレコンセプションケアの意義やプレコンチェックシートの活用を推進するなど、普及啓発に努めていただきたいと思いますが、お考えを伺います。
(4) プレコンチェックへの費用助成について
将来の妊娠や出産に備えて体の状態を調べる検査として「プレコンチェック」があります。血液や感染症の検査に加え、超音波検査などが行われます。知名度は低いもののとても大切な検査になるのですが、検査には保険が使えません。
国立成育医療研究センターのホームページでは「プレコンチェック」のプランや料金が掲載されているのですが、3万円から7万円の間という料金でした。この検査のことを知っていても費用面から検査をためらう女性も多いとのことです。「プレコンチェック」の存在を啓発していただくのは勿論のことなのですが、将来に備えていこうという方に少しでも負担を減らして検査を受けやすくするために費用の助成制度を検討することが出来ないか伺います。
標題2:ロケツーリズムへの取組みについて
本年3月に策定された国の「新・観光立国推進基本計画」の中では@持続可能な観光地域づくり、Aインバウンドの回復、B国内観光交流拡大と3つの戦略が掲げられており、インバウンド回復戦略の中で効果的な取組みの1つとして「ロケツーリズムの推進」が掲載されています。
ロケツーリズムによるシティプロモーションとインバウンドの確立を目指す団体の一つとして一般社団法人ロケツーリズム協議会があり、この協議会ではロケツーリズムとは「映画・ドラマのロケ地を訪ね風景と食を堪能し、人々のおもてなしに触れ、その地域のファンになってもらうこと」としています。
藤枝市が映画のロケに利用された例としては、総合運動公園サッカー場が登場する柴咲コウさん主演のカンフー映画「少林少女」を思い出すところですが、知っている方も少なくなっていると思います。
ロケツーリズムの地方自治体の事例として神奈川県藤沢市では平成14年・2002年にフィルムコミッションを設置して積極的なロケ支援を実施したところ、10年後の平成24年には市内への観光客が約1.8倍になり、直接的な経済効果として24年だけで約3,500万円であったことが国土交通省の資料で紹介されていました。
また、国内だけでなくタイの映画撮影ロケ地となったことでタイからの旅行客が急増した佐賀県の例もありますが、映画やアニメなどに紹介されたことでその地を訪ねる「聖地巡礼」という言葉もすっかり定着しました。
「ロケツーリズム」を行うには「フィルムコミッション」のような、映画やテレビ、コマーシャルやプロモーションビデオを撮影する際の誘致活動を行う組織も必要になるかもしれませんが、シティプロモーションや交流人口の増加に向けて、「ロケツーリズム」への取組みについてのお考えを伺います。