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質問通告内容

会議名

令和6年2月藤枝市議会定例月議会

質問日

令和6年3月5日 (一般質問)

議員名

平井登 (藤のまち未来)
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通告内容

(1) 求められる有害鳥獣減容化施設へのジビエ解体設備の併設
(2) 望まれる2地域居住促進制度の改正に呼応する計画の作成

質問要旨

標題1:求められる有害鳥獣減容化施設へのジビエ解体設備の併設

 有害鳥獣の生息域である林野の面積が市域の約70%を占める本市においては、農林業の衰退に反比例して、イノシシ、シカ、サルなどの生息域が年々拡大しています。
 2019年10月、県下で初めて本市で確認された豚コレラ(豚熱)の大流行でイノシシは激減しましたが、その伝染病も収束してきたことから今後のイノシシの繁殖が危惧されます。また、シカやサルは大幅に増え、農作物の被害ばかりでなく農山村の生活環境にも影響を及ぼしています。このことは本市に限らず全国的な問題でありますが、農林水産省の『鳥獣被害防止特措法(2007年成立)』により、被害対策の担い手の確保、捕獲の一層の推進、捕獲鳥獣の利活用が推進されて来ています。
 同特措法については施行後4回の改正を経ており、対策の強化充実と予算の拡大が図られていますが、改正ポイントは次の2点で、いずれも現場である市町村の役割と県との連携を後押しする内容になっています。
 @現場に最も近い行政機関である市町村が中心となって、被害防止のための総合的な取組を主体的に行うことを支援する等の内容。
 A令和3年の改正で都道府県による市町村をまたいだ被害防止に関する措置等を規定。
 鳥獣被害防止特措法が施行されて以降、本市では各種防護柵の設置助成、鳥獣被害対策実施隊の編成、サル用大型囲いワナの設置、GPS等のデジタル技術の導入など、様々な鳥獣被害防止対策を講じられ成果をあげています。とりわけ捕獲者の身体的負担を大幅に軽減している有害鳥獣減容化施設ですが、その敷地内にジビエ解体設備の併設を求める声が、志太猟友会3支所(第一・第二・岡部)や静岡猟友会等の狩猟者と、市内のジビエ加工業者から上がっており、県の志太榛原農林事務所、本市の農林基盤整備課にもお伺いを立てているところであります。
 そこで次の4点について、北村市長、担当部長のご見解を伺います。

(1) 有害鳥獣減容化施設の適正処理量(100〜160kg /日)を考慮するとジビエ利活用のための屠体解体設備の併設は処理量を大幅に減少させることとなり、今後の増加が想定できる害獣処理に必要不可欠の付帯設備になると考えますが、ご見解を伺います。

(2) ジビエ解体設備の運営については、猟友会関係者、ジビエ加工業者等が一定の出資とともに事業主体となり、解体・加工作業をはじめ食育ワークショップの開催や、衛生管理の知識を有する捕獲者(ジビエハンター)の育成、首都圏等から若者を呼び込むイベント、皮や骨を活用した民芸品の創作、さらには野生動物の学術的な研究に資する捕獲状況の記録、血液、筋肉組織、臓器等のサンプル保管など多彩な事業を計画されています。
本市としてこのように地域貢献度の高い自主的事業に、どのような支援が行えるのか伺います。

(3) 市有地である減容化施設敷地内へのジビエ解体設備併設の可能性について、課題や規制等があれば伺います。

(4) 藤枝市鳥獣被害防止対策協議会(構成機関:農林課・農業委員会、大井川農業協同組合、志太猟友会、鳥獣被害対策実施隊、県鳥獣保護管理員、森林組合おおいがわ)で、本件についての協議・検討を早急にお願いしたいがご見解を伺います。

標題2:望まれる2地域居住促進制度の改正に呼応する計画の作成

 国土交通省は去る2月9日、『広域的地域活性化基盤整備法』の改正案を提出し今国会での成立を目指すとしています。これは東京圏などの都市と地方の双方に生活拠点を持つ「2地域居住」を推進し、人口減少が進む地方への人の流れを創出、拡大し、地域の担い手確保や雇用創出につなげることを目的とする制度改正で、コロナ禍やリモートワークによって、若者や子育て世帯を中心に、2地域居住のニーズが高まっていることや、関係人口の増大を進めるためにも、2拠点生活を促進する必要があると判断したと思われます。また、促進するに当たっては「住まい」「なりわい」「コミュニティ」に関するハードルがあることから、これらの課題に対して地域の実情に合わせた環境整備に財政支援を行うもので、具体的には、市町村が事業対象とするエリアや、整備を目指す施設などを明記した「特定居住促進計画」を作成できる仕組みを導入。同計画を作成する自治体には、国の補助金や交付金が採択されやすくなるというものであります。なお、施設等を整備する際は、建築基準法の規制にかかわらず公営賃貸住宅、シェアハウスをはじめ、テレワークや共同作業が行えるスペースの整備も可能としています。また、地方で新たに住居や仕事を確保したり、地域住民と交流したりする2地域居住者をサポートする事業者やNPOなどを、自治体が指定できる枠組みも盛り込まれています。
 さて、藤枝市では10年以上前から本市への移住・定住を促す「デュアルライフ」の施策展開を推進して来ていますが、今回の2地域居住促進制度の改正は、大きなテコ入れになるとともに、本市のさまざまな課題解決のための基盤整備、施設整備に弾みがつくと考えます。そこで、北村市長、担当部長に次の2点について質問をいたします。

(1) 本市の中山間地域における移住定住促進策の柱である「空き家バンク」の最大の課題は、物件登録数の不足です。そのために他市町へ移住希望者を流出している現状があると伺っていますが、2地域居住制度の改正により、お試し移住・短期移住用の市営賃貸集合住宅の整備や、古民家のオフィス化等の整備が可能になると思いますが、ご見解を伺います。

(2) 本市における「人・農地プラン」の地区計画は令和6年度中に決められる予定であり、中心となる担い手(経営体)の指定と同時に、農地の集積や集約(団地化)の中長期的計画図を描き、取り組まなければなりません。その際、この『広域的地域活性化基盤整備法』の改正を視野に入れての、新たなビジネスや産業を創出するエリアのことも描き考えていただきたいと思いますが、ご見解を伺います。

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