令和6年6月藤枝市議会定例月議会
令和6年7月10日 (一般質問)
石井通春 (日本共産党)
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(1) 精神障がい者への交通費補助の実現を
(2) 大井川の水を守ってきた川勝前知事の立場で市の対応を
標題1:精神障がい者への交通費補助の実現を
障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会(障全協)や全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)など当事者や家族団体の30年の運動の成果で、JRと大手私鉄16社が、障がい者と介助者1名の普通運賃と定期券の5割引きを来年度から実施する事になった。
知的障がい者と身体障がい者を対象とした割引制度は全鉄道事業者が導入しているが精神障がい者について実施が遅れていたなかでの実現は大変大きな成果である。
本市でも静鉄バスなど半額補助が実施されているが、中部国道線など元々の運賃が高く交通費負担が原因で通所をためらうケースがあり、自力での通所(公共交通機関を利用する事)で就労を促す機会を失う事につながっている。
精神障がい者への施設への通所は、就職(就労)であり、本来であれば通勤手当として考えるべきで、それに見合った交通費補助を行ってもらいたいと、市内複数の障がい者団体から助成制度の実現を求める声が挙がっている。
制度実現に向けた取り組みを進めるべきではないか。
標題2:大井川の水を守ってきた川勝前知事の立場で市の対応を
(1) 藤枝市の水は、ベルギーのモンドセレクション最高金賞を4年連続受賞するほどの水質に優れた大井川の地下水から成り立っており、酒造会社、製茶工場などの産業も市内で発展している。水量減少、水質悪化がないと認められない限り南アルプストンネル工事を認める事は出来ないのではないか。
(2) 水問題とは、2013年にJR東海が示した「本来は大井川になるはずの水が毎秒2トン、トンネル内に湧水する」「この湧水を全量大井川に戻す」事であり、川勝前知事はこの路線を堅持した。一方、今に至るまでJR東海はその解決手法を示しておらず、「水問題は解決していない」という認識であるか。
(3) 田代ダム案は、2022年になってJRが示してきたものであるが、大井川の水量回復に少しはつながるが、水問題の解決にはつながらないのではないか。
(4) 今回の知事選において、鈴木知事は立候補直後「ゼロベースで見直す」と川勝前知事の路線から転換を示していた。リニア反対のもり大介氏が立候補し、岐阜の水枯れが大きく報じられると「県専門部会を尊重する」と立場を変えた。2018年以来JRと科学的議論を積み重ねてきているのが県専門部会であり、現在40項目中28項目が未達成となっている。南アルプストンネル工事の判断の是非は県専門部会という立場を市ははっきりと示すべきではないか。
(5) 一方で、島田市長は個人的と断りながらも「知事が代わった以上県専門部会は廃止解散すべき」と言い、島田市議会6月議会では「川勝前知事は工事に入らせないための議論をしていた」とまで発言している。その主な理由は専門部会があり得ないリスクを過大評価している点を挙げているが、ありえないリスクと断言できる根拠を示さず、一部の議論があるからといって県専門部会を全否定する事は到底許されるものではない。島田市長を「キーパーソン」「まとめ役」などと多くのメディアが取り上げ、発言が流域自治体の総意とする報道が多々ある中で、北村市長は島田市長と同じ立場であるか。なければしっかりと市民に発信する責任があるのではないか。
(6) JR東海は全量戻しの説明責任を取らない一方で、リニア開業遅れの原因は静岡工区のせいだと、静岡以上に遅れている他県の工事の実態を隠した記者会見をわざわざ開き、さらに岐阜の水枯れでは情報を隠すなどしており、卑劣な会社と言わざるを得ない。そうした会社と非公開で、かつ当事者である県抜きで2月25日に流域首長とJR東海社長が会合を持ったが、このような会社と市民の目が届かない場で協議を持つ事は不適切ではないか。