令和6年6月藤枝市議会定例月議会
令和6年7月10日 (一般質問)
大石保幸 (公明党)
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(1) 健康予防、心不全への対応について
(2) こどもの健全な育成に関連して
標題1:健康予防、心不全への対応について
市長の新たな任期がスタートして最初の議会にあたり、市長が一貫して取組んで来られた4K施策の中から「健康」と「教育」に関連して質問をいたします。
先ごろ2023年の人口動態統計が発表され合計特殊出生率の全国平均が1.20、東京においては初めて1.0を切り0.99だったことが報道されました。
その統計の中の「日本人の死亡原因」を見てみると、1位は悪性新生物(腫瘍)、2位が心疾患(高血圧性を除く)、3位は老衰となっています。今回は死亡原因2位の心疾患の中から「心不全」について取り上げます。
心不全とは「心臓の機能が低下して十分な量の血液を全身に送り出せない状態」で心臓の血液を循環させるポンプのような働きが低下すること。とされています。
今年になって報道された元横綱の曙さんやダンサーの真島茂樹さんの死因も心不全でした。全国には推計で100万人〜120万人の患者がいると言われている心不全ですが、今後の高齢化に伴い患者数が増加することが予想されており、これを新型コロナの爆発的感染拡大になぞらえて「心不全パンデミック」とも表現されています。
市や市立総合病院、医師会としては今後予想される心不全患者の増加に対応していくことが不可欠だと思いますので、以下伺います。
(1) 先ほど紹介した日本人の死因の順番を、昨年10月に公表された国の「令和3年度国民医療費」の傷病分類別で見てみると、心不全が含まれる「循環器系の疾患」にかかる医療費は男女ともに「悪性新生物」を抜いてトップになっていますが、本市の状況はどうか、そして、その結果からどの様な感想をお持ちか伺います。
(2) 心不全については、本年5月に放送されたNHKの「きょうの健康」でも特集されていました。番組内で「心不全」の治療の基本は「生活習慣の改善と薬の服用」と紹介をされ、生活習慣の中で気を付けたい項目として、「減塩・肥満の解消・適度な運動・禁煙・節酒・ストレスの軽減」などが挙げられていました。
本市は「減塩」については以前から取組みをしてきたところですが、成果と今後の展開について伺います。
(3) 令和4年2月5日号の「広報ふじえだ」には心不全についての特集ページがあり、市立総合病院では「心不全地域連携チーム」が結成されていることが紹介されていました。このチーム結成後の活動について伺います。
(4) その「広報ふじえだ」では、令和元年の数字として日本全国で約29万人が心不全で入院し、市立総合病院にも年間300人以上が入院されたとあります。
その後は新型コロナが拡大した時期になりますが、心不全の状況はどうであったのか推移を伺います。
(5) 今後の心不全患者の増加に対して「パンデミック」との表現を使って警鐘が鳴らされています。大袈裟な表現の様にも感じますが今後の予測について、専門的立場でのご所見を伺います。
標題2:こどもの健全な育成に関連して
本年は、日本が「子どもの権利条約」を批准して30年。2年前には「こども基本法」が成立し昨年4月には子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」が発足しました。その後、昨年12月には「こども大綱」が閣議決定され、その「こども大綱」に基づき本年5月には「こどもまんなか実行計画2024」が決定されました。
藤枝市でも本年4月1日に「こども基本条例」が施行されましたが、改めて、こども達が安全に安心して健やかに育っていくための取組みを進めていく必要性を感じます。
以下、こどもの健全な育成に関連して伺います。
(1)児童生徒の健康管理について
先日、登校が困難なお子さんがおられる保護者の方から、通常は学校で実施されている健康診断に学校に行くことが出来ないために健康診断を受けられない児童生徒への対応についてのご相談を受けました。
切っ掛けはテレビで放送された特集番組でしたが、番組内では学校で健康診断を受けていれば発見されたであろう側弯症が、7年間の不登校期間中に見過ごされ、現在では日々の生活に多大な影響を与えている女性が登場していました。
この様な、学校での健康診断を受ける機会を失ったことによって後遺症に苦しむ児童生徒を少しでも減らしたいと思いますので以下伺います。
@ 小中学校における健康診断は、児童生徒にとって自身の健康状態を確認する機会であるとともに健康管理や生活習慣などについて学ぶ教育活動の場だと思います。また、学習指導要領においては特別活動の学校行事の一つとして位置づけられており、学校保健安全法施行規則の中には、欠席者について、「疾病その他やむを得ない事由によって当該期日に健康診断を受けることのできなかった者に対しては、その事由のなくなった後すみやかに健康診断を行うものとする。」と定められています。
そこで、市内小中学校における実施状況と、様々な理由によって健康診断実施日に登校できなかった児童生徒への対応はどの様にされているのか伺います。
A 通常、児童生徒への健康診断は学校医に来ていただいて校舎内で行いますが、その学校に登校することが難しい児童生徒が学校によって人数に違いはありますが、ある程度存在しています。
特集番組で紹介された女性の様に、小中学生時代に見つけられていれば治療を受け、その後の人生において後遺症に苦しむ人生とならないよう、登校が難しい児童生徒にも健康診断を受診することが出来る体制を整えることが出来ないか伺います。
(2)SNSからの被害防止について
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が身近になっている現在、SNSによっていじめを受けたり、コメントの内容にストレスを感じたりする状況が見受けられます。
SNSへの書き込みが原因で自殺に至った事件は毎年のように発生しています。児童生徒ではありませんが女子プロレスラーの木村花さんがSNSでの中傷を苦にして自殺したのは4年前のことでした。また、今年3月には2年前に自殺した生徒について設置された第三者委員会が、LINEの書き込みもいじめであると認定したことが報道されました。
自殺について本市では「第2次藤枝市自殺対策計画」が今年度からスタートしたところですが、児童生徒に対する陰湿なSNS上の誹謗中傷に関連して以下伺います。
@ 本市教育委員会では、児童生徒がインターネットを通じていじめや犯罪、個人情報の流出等の被害にあうことを未然に防止するとともに、情報モラルの向上のために「学校ネットパトロール」を平成25年5月1日から実施しています。
「学校ネットパトロールだより」も発行され、第1号は平成25年7月で、最新号は令和6年3月号になっていますが、最近の傾向とどの様な活動や対策を行っているのか伺います。
A 自分自身は軽い気持ちでSNSを使って情報を拡散させたとしても、それことで犯罪の加害者になってしまう場合もあり、市民にもネットリテラシー(適切に使う能力)が求められる時代になっています。
さて最近、幾つかの自治体ではネット上の誹謗中傷を防ごうと条例(通称:ネット安心条例)が制定されてきています。
先に「こども大綱」に基づき「こどもまんなか実行計画2024」が決定したことをお伝えしましたが、その中の「こども施策に関する重要事項」の「こども・若者の自殺対策、犯罪などから、こども・若者を守る取組み」として、「こどもの自殺対策緊急強化プランの推進」や「こどもが安全に安心してインターネットを利用できる環境整備」、「いじめ防止対策の強化」などが挙げられています。
そこで本市においても「(仮称)インターネット上の誹謗中傷等の防止条例」を検討していただきたいと思うのですがお考えを伺います。