令和6年9月藤枝市議会定例月議会
令和6年9月11日 (一般質問)
寺田亜記子 (藤のまち未来)
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(1) 子育て支援について
(2) 働く介護者・ビジネスケアラーについて
標題1:子育て支援について
私の知り合いで、明石市から藤枝市に転入された方がいらっしゃいます。その方は、昨年お子さんを出産され、現在子育てに奮闘中です。先日、その方から「藤枝市では『おむつ定期便』のようなサービスは実施されていないのですか?」と尋ねられました。
ご存じの通り、令和4年6月に増田議員が明石市の子育て支援について質問された際、明石市の子育て政策が他自治体からの移住者を呼び込み、人口増加に繋がっていることが指摘されました。また、近年では、他の自治体でも『おむつ定期便』事業が導入される傾向が見られます。
実際に明石市で『おむつ定期便』を利用された母親たちの声を聞くと、
「毎月、同じ方が配達してくれて、会話を交わすことで息抜きになった」
「実家が遠方なので一人で子育てをしている中、毎月来て声を掛けてもらえるのが嬉しかった」
といった意見が寄せられています。
これらの声からわかるように、『おむつ定期便』は経済的支援にとどまらず、見守りの役割を果たし、子育てにおける孤立感の緩和や、虐待の予防にも効果があると考えられます。
以上の点を踏まえ、子育て支援策の中でも『おむつ定期便』に焦点を当て、以下の項目を質問させていただきます。
(1) 明石市で実施されている『おむつ定期便』は、子育て家庭の負担軽減に大きく貢献しており、見守りや孤立感の緩和、虐待防止にもつながっています。この事業について、藤枝市としてどのような見解をお持ちかお伺いします。
(2) 藤枝市において、子育て支援に関する市民の声を反映するためのニーズ調査を、どのように実施されているか伺います。
(3) 『おむつ定期便』を藤枝市で実施した場合の費用と、その費用対効果について、具体的な試算をお伺いします。
(4) 藤枝市と同規模である自治体でも『おむつ定期便』を取り組んでいるところもあります。このような自治体の子育て支援策を参考に、藤枝市でも同様の取り組みを導入することは可能であるかお伺いします。
標題2:働く介護者・ビジネスケアラーについて
超高齢社会の日本において、生産年齢人口の減少が続く中、仕事をしながら介護に従事する、いわゆる『ビジネスケアラー』の数は増加傾向であり、2030年時点では約318万人に上り、経済損失額は約9兆円と試算されています。
介護者本人への心身負担が発生していることに加え、経済全体で見ても、介護に起因した労働総量や生産性の低下による労働損失の影響は甚大であり、喫緊の対応が必要となってきています。
従業員一人ひとりが抱える介護の問題は、本人のパフォーマンスの低下や介護離職などに繋がり、結果として、企業活動の継続にも大きなリスクを生じさせます。特に中小企業では、限られた人材を最大限に活用することで競争力を維持しているため、中核人材が介護のために仕事を離れると、その影響は企業にとって死活問題となります。
国も、仕事と介護を両立することに際しては、まず、介護休業制度や介護保険サービスの利用を検討したうえで、これら制度的支援を補う形で、介護保険外サービス等の活用を視野に入れていくことが重要としており、こうした中で、経済産業省は、中小企業での仕事と介護の両立に向けた取り組みを支援する新たな実証事業を始める方針であると、先日もニュースにあげられていました。
以上の点を踏まえ、以下の項目を質問させていただきます。
(1) 介護保険制度や介護休業制度を管轄している厚生労働省だけでなく、産業の力を活用し、経済的豊かさ・経済力の獲得に取り組む経済産業省からも「介護政策」が打ち出されています。そのような中、藤枝市においては、「新たな発想とチャレンジで希望ある未来を切り拓き、市民誰もが幸せになるまちづくり」と掲げておりますが、経済的な視点から介護の課題をどのように捉えているかお伺いします。
(2) 経済産業省の介護政策には、社会全体で働く介護者・ビジネスケアラーの課題に向き合い、介護を「個人の課題」から「みんなの話題」へ転換することを目指すプロジェクト「OPEN CARE PROJECT」の発足があります。この考え方について、市はどのように捉えているか伺います。
(3) 企業が仕事と介護を両立できる環境を整備することは、従業員のキャリア継続だけではなく、経営面からは人的資本経営の実現や、人材不足に対するリスクマネジメントとして非常に有効と考えられています。そこで、藤枝市独自の健康経営の柱である「心身ともに働きやすい職場環境づくり」において、介護と仕事を両立しようとする従業員『ビジネスケアラー』への支援の可能性について、どのようにお考えかお伺いします。
(4) このような課題への対応を進める過程で重要となるのは、「介護」に関連する話題をよりポジティブな切り口で捉え、広く社会の共通の関心事として、周知を図っていく姿勢と言われています。そこで、藤枝市では、市内の企業に対して、介護保険や介護休業等の利用促進に向けた情報提供や支援策を、どのように実施しているかお伺いします。