令和6年11月藤枝市議会定例月議会
令和6年12月3日 (一般質問)
大石心平 (藤新会)
(1) 市内空き家等の現状について
標題1:市内空き家等の現状について
我が国の空き家問題は人口減少や高齢化、相続した住宅が遠隔地であったり維持費や管理の問題で放置されたり、新築志向が高まっている事により中古住宅市場が活性化していなかったり、極端な都市集中などが原因であると考えられ、近年は全国的に空き家の数が増加しています。本年9月に確報として公表された総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると2023年の時点での空き家は900万2千戸で空き家率の13.8%と共に過去最高となっています。特に地方では人口減少が顕著であり活用されない住宅が増えている状況です。本市においてもこれらの原因や場合によっては相続した土地家屋が市街化調整区域である為にそのまま放置される等といった事も考えられます。
空き家問題が孕んでいるのは不法侵入やゴミの不法投棄などによる地域の景観や治安の悪化、地震や台風などの災害による倒壊の危険性といった防災リスク、またこれらに起因した地域全体の地価の下落やそれに伴う税収の減少などと様々です。
本市においても空き家バンクや移住支援などといった空き家対策に取組んでおり一定の成果をあげているものと感じます。
空き家問題は一見住宅の問題のようですが、地域社会全体に影響を与える重要な課題です。そのため産官民が協力して解決に向けて取組む必要があります。そこで本市の空き家の状況やその対策について以下の5点をお伺いします。
(1)国土交通省中部地方整備局によると平成30年度の住宅土地統計調査結果によると静岡県の空き家率16.4%に対して本市の空き家率は11.8%となっておりますが、その後の本市における空き家率はどの様な傾向にあるのか伺います。
(2)本市は平成30年3月に不動産売買などに携わる様々な各分野の専門家団体と「空き家等の対策に関する協定」を結んでおります。本年4月に施行された所有者不明土地を無くす為に改正された不動産登記法による不動産相続登記の義務化、また近年全国的に増加傾向にある空き家率に照らし、今後もより実効的な協定とする為の見直しなどはあるのか伺います。
(3)昨年5月の民法改正により隣地から枝木が越境してきた際に「1.竹林の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹林の所有者が相当の期間内に切除しないとき。」「2.竹林の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。」「3.急迫の事情があるとき。」のいずかれの場合には、越境された土地の所有者が切除する事が出来るようになっています。
とは言え越境してきた枝木を切除すれば当然この枝木の処分もする必要も有り、これには勿論費用が掛かります。この場合本来越境した木の所有者が枝の切除義務を負っている事を踏まえて切除に関して要した費用は基本的に木の所有者に請求できるものですが、空き家の場合実際に請求する事はなかなかハードルが高くそのままになってしまうケースも見られます。
この様な空き家などにおける草木の繁茂はそこに動物などが住み着いてしまう可能性や家庭ゴミなどの不法投棄、場合によっては放火などといった衛生面や安全面でのリスクを孕んでいますが、こちらに関しては民民の問題であるため当然行政の直接の指導などは出来ない事ではありますが、こういった事態を事前に防ぐ手段としてその空き家の所有者や場合によっては相続人などに問題提起する事も可能かと思います。現時点で本市においてどの様な対策を取っておられるのか伺います。
(4)昨年12月に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」において「適切な管理が行き届いておらず、そのまま放置すると特定空家になる恐れのある空家」に対して管理不全空き家として地方自治体が認定できるようになった事を受け、本市の「藤枝市空き家等の適切な管理に関する条例」においても改正がなされた昨年の11月定例月議会の際には「管理不全空き家の認定については県の作成した判断基準に基づいて認定していく」との事でしたが、これまでに本市において管理不全空き家として認定されたケースはあったのか。あったとすればどの程度であったのか伺います。
(5)全国的に空き家が増加していく原因は地域特性によって様々であり決して1つではありませんが、本市の空き家の増加傾向が見られる地区での原因の1つには市街化調整区域の問題もあるかと思います。
本年度の一般会計当初予算に「市街化調整区域可能性調査事業費」が計上されており、予算常任委員会の際には「青島地区及び高洲地区の市街化区域に隣接する市街化調整区域の宅地化への可能性の調査である」との説明があったかとおもいますが、こちらの事業の進捗または今後の展望について伺います。