令和6年11月藤枝市議会定例月議会
令和6年12月3日 (一般質問)
植田裕明 (藤新会)
(1) 歴史遺産を活かそう〜 史跡の映像化を検討してはどうか〜
(2) 日本遺産の周知と活用について
標題1:歴史遺産を活かそう 〜史跡の映像化を検討してはどうか〜
本市には、国指定史跡の志太郡衙跡、東海道宇津ノ谷峠越をはじめ、若王子古墳群、田中城など、多くの文化財があります。
私は、平成23年11月議会で、市のホームページ拡充に関する質問で、田中城をコンピュータグラフィックで復元してみてはどうかと伺った経緯があります。これら文化財は本市の大切な宝物でありますが、市民により親しんでもらい、身近に感じていただけるよう、映像化してはどうかと考えますので、以下、伺います。
(1).志太郡衙跡を映像で復元できないか
11月17日、青島北地区ふれあいまつりが青島北地区交流センターを会場に、「志太の郷まつり」と銘打って行われました。
この「志太の郷」との名称は、文字どおり、隣接する国指定史跡「志太郡衙」に因むもので、当日は、「ぐんがまつり」も同時に行われ、両方とも、天候にも恵まれ、たいへん多くの人で賑わい、盛況裡に終えました。
律令時代の郡役所跡が史跡として残されている例は、全国的にも非常に珍しく、文化庁関係のホームページでも高く評価されておりますが、残念ながら、志太郡衙に対する市民の反応は今ひとつと感じております。
文化庁の規制等の課題もあるものと考えますが、より市民に親しんでもらうとともに、本市の貴重な財産でもあることから、内外に知らしめる上からも、コンピュータグラフィック等による復元映像化し、SNSなどを活用し、広報してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
(2).田中城を復元映像化してはどうか
田中城は、円郭式城郭という、直径約600メートルの同心円状に3重の堀を有する全国的にも珍しい構造の平城で、別名、亀城、亀甲城などとも呼ばれております。
城郭跡は、西益津小学校、中学校の学校敷地のほか、住宅地となっており、遺構の状態は芳しくないのが現状です。
郷土博物館の入口には、昭和30年代頃の本市の写真があり、ここには、田中城跡がまだあまり開発されていない状態で撮影されており、この頃、そのまま文化財として保存していたならば、とも感じているところです。
徳川家康公にもゆかりの深い城でもあるところから、こちらも復元映像化してみてはどうかと考えますが、当局の見解を求めます。
(3).若王子古墳群、九景寺古墳を活かしてみてはどうか
本市でもっとも賑わう場所は、市民の憩いの場であり、観光地でもある蓮華寺池公園ですが、この一角にあるのが、古墳の広場として親しまれている若王子古墳群です。
蓮華寺池公園と同じく観光地で、桜の時期には、多くの人で賑わう金比羅山には、九景寺古墳があります。
古墳でありますので、外見を見ることはできても、古墳内がどのようになっているのかは、分かりません。
金比羅山は「志太九景」の復元から、標柱を設け、QRコードをかざせば、市ホームページへ飛び、関連する写真が見られるように進めております。こうした方式を用い、古墳内の映像を見られるようにしてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
標題2:日本遺産の周知と活用について
10月7日、旧東海道日本遺産・茶文化発信拠点丸七製茶本店の完成式典が行われました。日本遺産の構成文化財である東海道松並木の近くで、本市の西の玄関口にも該当する場所に、こうした施設が完成したことは、歓迎すべきことと考えます。
私は、昨年2月議会で、日本遺産に関する質問を行いましたことから、その後の日本遺産に対する本市の姿勢について、以下お伺いいたします。
(1).日本遺産に対する市民の意識をどう捉えているか
昨年2月議会での市長の答弁は、「大変な努力と苦労によりまして認定を受けました」という言葉から始まりました。観光があまり強くない本市にとって、この指定はたいへん歓迎すべきことですし、大いに活用すべきことと思います。
とはいえ、日本遺産に対する市民の意識はそれほど高くないようにも感じてなりません。市民の意識を当局はどのように捉えられているでしょうか。
また、市民への周知、広報をどうなさっているでしょうか。
(2).旅ブームを活かしてみてはどうか
日本初の「旅の大ブーム」の火付け役が、日本遺産のストーリーとなっています。コロナ禍が去り、インバウンドも復活し、各観光地は、外国人観光客で賑わっております。
旅行は、だれにとっても、まことに楽しみな娯楽です。旅ブームをキーワードに、本市の観光施策に活かしてみてはどうかと考えますが、当局の見解はどのようなものでしょうか。
(3).教育の場で、日本遺産のまち藤枝を教えてはどうか
常任委員会の行政視察で、同じく日本遺産のまち甲賀市を訪れた際、やはり一番の課題は、市民の意識と周知の必要性とのことでした。
また、小学校高学年にアンケート調査を行い、甲賀市の日本遺産について尋ねたところ、90%以上の認識が得られたが、肝心なストーリーについては、17%という数値で、より周知が必要と考えるとも教えられました。
本市の郷土史の授業で、小中学生に指導し、郷土愛を育まれてはいかがかと考えますが、教育長の見解を求めます。