令和6年11月藤枝市議会定例月議会
令和6年12月3日 (一般質問)
川島美希子 (藤のまち未来)
(1) これから求められる交通課題への対応について
(2) 誰一人取り残さない要配慮者の避難計画について
標題1:これから求められる交通課題への対応について
本市では、高齢化が進む中、バス停型乗合タクシーの導入による公共交通ネットワークの充実を図り、また、中部運輸局管内で初めて国から自家用有償旅客運送の権限移譲を受けるなど移動資源の創出のための取組を他の自治体に先駆けて行っていることと承知しています。昨年の11月議会において一般質問させていただいた際、本市では総合計画の基本方針に「コンパクト+ネットワークの形成」を掲げ、人の移動についての重要性を踏まえ、自主運行バスや民間バス路線の運行手法について、今後の市当局の姿勢を確認させていただきました。そこで、乗降者数の推移や住民ニーズを踏まえ、自主運行バスについては、「より効果的、効率的な手法を選択していく」こと、また、民間バス路線に関しては、「路線の維持・確保のための支援を行う」ことについてお答えいただきました。この10月には、地域の高齢化や運転手人材の不足によるバス路線の維持に関する課題を踏まえ、葉梨地区より、民間バス路線の「バス停型乗合タクシーへの転換を求める要望書」の提出がされたと聞いています。地域住民の交通課題に対する意識は高く、現在、自動車の運転を行っている人が、自ら運転ができなくなった時のことを考え、住民ニーズが高まっていくことが考えられます。
そこで以下の質問をします。
(1)葉梨地区から提出された「バス停型乗合タクシーへの転換を求める要望書」について
@ 民間バス路線のバス停型乗合タクシーへの転換の可能性について伺います。
A 要望書では、現在の路線バスでは対応が難しい50か所ほどの停留所の設置について要望していると聞いていますが、その実現の可能性について伺います。
B 要望書では、市立総合病院まで行くためのアクセスを求め、現在運行しているバス停型乗合タクシー五十海市立総合病院線への接続を求めているとのことですが、その実現の可能性について伺います。
(2)今後の交通課題へのニーズの対応について
@ 葉梨地区以外にも瀬戸谷地区や朝比奈地区の中山間地域はバス停が遠くて歩いて行けないという課題があるものと思いますが、このような中山間地域のバス路線についての課題解決に向けた今後の対応を伺います。
A 国や県は、交通課題の解決に向けて「ライドシェア」の推進を行っていますが、本市におけるライドシェアの動きに対する考えと対応について伺います。
標題2:誰一人取り残さない要配慮者の避難計画について
令和6年1月の能登半島地震において、輪島市などの各市町村において、特別養護老人ホーム等を利用した福祉避難所が開設され、受け入れを行いました。東日本大震災の時には、周囲の方に迷惑をかけるからと、余震が続く中、要配慮者の方々が危険を承知で自宅にとどまらざるを得なかったという報告もされています。
福祉避難所は、災害発生時に要配慮者を対象に円滑な利用を確保し相談や助言、支援などの体制を整備する避難所で一般的な避難所とは違うとされています。災害対策基本法では市が一定の基準に適合する施設を指定避難所として指定することが義務づけられています。加えて福祉避難所は二次避難所として扱われていました。
令和3年から国のガイドラインが改められて、自治体はあらかじめ受け入れ対象者を調整し、直接避難所に行くことができるように体制を整えることが求められています。例えば福祉避難所に自宅から直接避難できるのは、あらかじめ避難する福祉避難所が指定されている人であり、福祉避難所が指定されていない場合は、近くの指定避難所いわゆる体育館などに避難することになっています。
本市は年1回、市民に防災世帯台帳と災害時における避難行動要支援者登録申請書兼登録台帳(個別計画書)を自治会を通じて調査、提出を求め、自治会、町内会と市で情報共有をしていますが、これをどう利用するかには課題があると感じています。
令和3年9月議会で山本議員が指定福祉避難所への直接避難についてのお考えを質問されていますが、その後の取り組みと現状の課題点等伺います。
(1)要配慮者は災害時に必要な情報を把握したり、一人で避難したりすることが困難な人、避難生活が困難な人を指し、具体的には家族が近くに住んでいない独居の高齢者、障がい者、妊産婦、病弱者などが該当します。本市に17か所ある福祉避難所における要配慮者の受け入れ可能人数を含む受け入れ態勢は整っているのか伺います。
(2)福祉避難所への直接避難は車いすや医療的ケアの必要な障がいのあるお子さんのご家族から特に求められています。どの程度進展しているのか伺います。
(3)福祉避難所17か所の内、福祉センターきすみれと、藤枝特別支援学校以外は老人ホームなど民間の施設です。風水害の時は、交流センターが避難先としていち早く開設されることから、交流センターを福祉避難所として活用されることについてどうお考えか伺います。
(4)災害時に自ら避難することが困難な避難行動要支援者の個別避難計画の作成状況について、人数含めて現状を伺います。
(5)避難行動要支援者の個別避難計画の作成は医療的ケアを必要とする方たちにも必要となると思います。災害時、停電するかもと考えると人口呼吸器が必要な方などには特に配慮が必要ですが、医療的ケアを必要とする方はどのように進めていくのか伺います。
(6)独居や認知症の高齢者は増加傾向であることから、地域ぐるみで実情に合った支援体制が必要となります。登録台帳は共有しているが避難の個別支援計画をより実効性を高めていくには、地元の支援してくださる方との連携が必要不可欠でありますが、今後のお考えを伺います。