令和6年11月藤枝市議会定例月議会
令和6年12月4日 (一般質問)
深津寧子 (藤新会)
(1) 高次脳機能障害者支援について
標題1:高次脳機能障害者支援について
高次脳機能障害とは、脳の損傷によって記憶力、注意力、コミュニケーション能力、感情のコントロールに障害が生じる疾患です。その特性上、外見からは判断が難しく、本人や周囲がその存在に気づきにくい場合もあります。主な原因としては、交通事故、脳卒中、頭部外傷などが挙げられ、これらに伴う障害は、日常生活や就労にも大きな影響を及ぼします。高次脳機能障害は、発症時点が明確である、進行性ではない、そしてリハビリテーションを通じて徐々に改善する可能性があるという特徴を持っています。
一方で、似た症状を示す疾患には認知症、発達障害、うつ病、適応障害、統合失調症などが挙げられますが、これらは原因や進行の仕方、治療や支援の方法がそれぞれ異なるため、正確な理解が重要です。このような背景のもと、国では2000年代初頭から高次脳機能障害への本格的な支援に取り組んでいます。平成13年には、厚生労働省が「高次脳機能障害支援モデル事業」を開始し、早期診断、リハビリテーション、社会復帰支援のための体制整備に乗り出しました。その後、平成18年には障害者自立支援法に基づき支援が拡充され、平成28年には地域生活支援がさらに強化されました。
静岡県としても、県内7か所の支援拠点の整備、東部中部浜松などの地域で高次脳機能障害医療等相談会の開催、啓発活動、家族会支援を展開しており、藤枝市といたしましても県の取り組みに繋げる、連携するという体制を整えていると認識をしております。
しかし、「見えにくい障害」と言われるがゆえに、当事者に対する理解や支援が十分に行き届いていない現状があります。この課題に対し、誰もが幸せになるまちを目指し、健康日本一を掲げます本市において、市として啓発活動の強化、社会復帰の促進など、どのような施策を講じることが可能であるか以下伺います。
(1)高次脳機能障害を抱える方々への支援について、市が現在把握している相談件数、障害者手帳の発行件数、ならびに障害者総合支援法に基づく各種サービスの利用状況について伺います。
(2)高次脳機能障害は、多くの市民にとって馴染みが薄く、正しい理解が十分に広まっていないと感じます。この障害に関する認知度を向上させ、正しい理解を普及させるための啓発活動の現状と、今後の具体的な計画について伺います。
(3)藤枝市立総合病院は、高次脳機能障害支援において協力病院として重要な役割を果たしていると認識しております。支援体制や取り組みの具体的内容と支援を行う上で直面している課題や、これを改善するための市との連携の可能性について伺います。
(4)高次脳機能障害を持つ方々が地域社会で安心して生活できるようにするため、福祉、教育、医療機関との連携を強化することが重要です。この連携を深化させるため、市としてどのような取り組みが可能とお考えか、具体的な方策について伺います。