令和6年11月藤枝市議会定例月議会
令和6年12月4日 (一般質問)
さとうまりこ (日本共産党)
(1) 小石川の水害対策について
(2) 非正規公務員(会計年度任用職員制度)について
標題1:小石川の水害対策について
今年8月末の台風10号は、日本列島各地に被害をもたらした。幸いにも市内での人や家屋への大規模な被害はなかったが、2年前に台風15号被害を受けたばかりの地域では、また浸水被害が起きるのではないかと肝を冷やしたところである。
温暖化による気候変動はどんどん悪化して、私たちの住む志太地域でも雨の降り方は激しくなるばかりである。大雨に脆弱なところでは心配が募っている。
高洲地区の築地でも台風15号により浸水の被害があったが、これまでも地区を流れる小石川とその支流が大雨のたびにあふれ、毎回同じところが被害をうけている。度々、道路が冠水し、玄関先に水が迫ってくる住民は気が気ではない。川の近くにお住まいの方からは、「雨が心配で、不安でたまらない」、「雨が降ると眠れない」などの声が上がっている。
現在、築地地区では、いつも増水であふれてしまう場所には河川課からも土嚢を積むなど対応をいただいてはいるが、町内会から河床の幅を広げて流量に余裕を持たせることや地域一帯の浸水被害改善の要望が出されている。小石川の浸水被害について、今後どのような対応をしていただけるかを伺う。
標題2:非正規公務員(会計年度任用職員制度)について
(1)会計年度任用職員の3年目での公募の撤廃を
私たち市民の生活は、公務員に支えられているが、日本の公務員の人口比は先進国の中で最低であり、このことが公務員一人当たりの負荷が大きいことや、サービスが行き届かない原因となっている。少ない人件費で足りない人手を補うために、非正規の公務員が増えることになった。非正規公務員は、地方公務員法の改正によって会計年度任用職員として位置づけられ令和2年より運用されているが、問題のある制度として改善が求められている。
会計年度任用職員が受ける最も大きなストレスとなる点は、契約期間が1年で更新は2回、3年限りとされていることである。これは、総務省の「会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアル」に、「再度の任用は連続二回までを限度とするように努めるものとする」とあることに基づいての運用であったが、本年6月に、この3年目公募規定は撤廃された。
本市でも契約の更新については、「最大2回更新3年まで」が勤務条件とされているが、3年ごとの公募条件の廃止を検討しないか。
安心して長く働き続けてもらう方が、よりよい市民サービスの提供につながるのではないか。
(2)フルタイム雇用で退職金の支給を可能に
会計年度任用職員の待遇は、昨年の人事院勧告により本市では今年度から賃金が引き上げられ、勤勉手当の支給も始まった。特に勤勉手当の支給は2.05か月分と大きく、「こんなにたくさんもらえるのかと驚いた」「働く意欲がわいてきた」という声を聞いている。
しかし、引き続き正規職員の平均給与の二分の一から三分の一の程度であり、勤続年数が長くなっても初任給と大差なく格差は大きいままである。物価高も続いており、まだまだ大幅な待遇改善が必要であると考える。
格差のひとつに、退職手当がないことがあげられる。会計年度任用職員は正規と同じ時間のフルタイム、1分でも短いとパートタイムとなるが、本市では、会計年度任用職員の1日の勤務時間は最長で7時間30分と正規より15分短く設定されて全員パートタイムである。この15分の時間設定の違いで、フルタイムには支給される退職手当がパートにはないため、本市では、退職手当を受け取ることのできる会計年度任用職員はいない。
時間設定については、「仕事の内容や標準的な業務の量などを勘案する中で、適切な勤務時間を設定」との答弁を以前いただいているが、例えば受付・事務処理などの恒常的業務では、シフトで交代した次の人がまったく同じ仕事を続けるものであるから、いくらでも調節可能である。正規職員と同じように、市民のために頑張ってきた人が報われるよう、退職金の支給が可能となるフルタイムでの雇用を検討されたい。
(3)専門的、恒常的業務について
図書館司書、学芸員、各種相談員をはじめ、就労支援員、保育士や保健師などの、専門的、恒常的業務は、知識、経験、人格が求められる。経験を積んで能力を伸ばすには、安定して長く働けるようにすることが必要である。専門職での正規雇用を増やして行かれてはどうか。