質問通告内容
- 会議名
- 令和2年 2月定例会
- 質問日
- 令和2年3月3日
- 区分
- 一般質問
- 議員名
- 大石信生 (日本共産党)
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内容
標題1:昨年の台風大災害から浮かび上がった課題―堤防の改修(補強)について
昨年の台風15号は各地で観測史上一位の瞬間最大風速を記録し、全半壊2345棟、一部損壊3万棟、長期に及ぶ停電という未曽有の強風被害をもたらした。続く19号とその後の台風崩れの記録的豪雨は、東日本と東北地方の広範囲を繰り返し襲い河川の氾濫は延べ230河川、死者・行方不明者100人、全半壊約1万2千棟、床上浸水約2万8千棟に及んだという(内閣府・昨年11月11日現在)。
海水温は高まり続け、日本列島は「災害の時代」に入ったと考える。
合併によって周辺部の災害対応力は弱まり、河川上流部の農地や山林の荒廃で保水能力が低下、倒木が増え、大災害が起きやすくなっている。
もし昨年のような豪雨が本市を襲ったら、多くのところで堤防が持ちこたえられないのではないか。
対策はどのようにたてられているか。
堤防が決壊する恐れのある個所を、当局はどう捉えているか。
私が実感しているところでは、朝比奈川では、殿が昭和33年に決壊し、昭和49年の七夕豪雨では横内左岸が決壊したためにかろうじて決壊を免れた個所が危険だと思っている。また葉梨川は、危険個所は多いのではないか。瀬戸川も明治43年8月9日3日間連続雨量877oの降雨で、右岸堤防が勝草橋下流で決壊し、天井川のため滝のような濁流が集落を呑みこみ家屋を流失させたという。死者30名。被害家屋332戸。瀬戸川流域の決壊箇所311カ所。浸水面積1800ヘクタールとの記録がある。
雨はこれら過去の記録を超えると予想され、少なくともこれに備える構えが、堤防の改修(補強)において求められていると考えるがどうか。
標題2:公文書不適切管理処分―再発防止対策をどう徹底するか。
国の公文書管理への信頼が、地に落ちている。自衛隊の南スーダンでの日報問題、あるいは森友学園、加計学園をめぐる隠ぺい、改ざんもひどいものだったが、「桜を見る会」では一国の総理大臣が国の公文書管理法を乱暴に踏みにじり、公文書管理ガイドラインに違反を繰り返している。
さらに総理大臣が任命した公文書管理の担当大臣が、国会の答弁にまともに答えられない。公文書に関して何もわかっていないのではないかと誰もが思うような姿が連日テレビに映し出されている。公文書管理は、民主主義の実現のために、最も大事な課題であるのにもはやこれは最低レベルと言わなければならない。
ひるがえって本市でも、公文書管理では都合の悪いことはなかったことにするという点で、安倍内閣と基本的に変わらない構図があったのではないか。この問題は絶対にゆるがせにできない問題である。
この問題では、市立病院の幹部職員2名が処分されたが、処分があった以上、再発防止策がどう取られ、それが全職員にどう徹底されたかの検証が不可欠である。
この点について、明らかにされたい。
標題3:「合唱発表会」の廃止は「合唱によるまちづくりの推進」に逆行するのでは?
市は来年度予算の重点施策に「合唱によるまちづくりの推進」を掲げた。その中身は子ども合唱アカデミー推進事業として「藤枝ジュニアコーラスの設立」を打ち出している。私はかねがね「藤枝少年少女合唱団」が少人数を克服できない状態が続き、「藤枝」を冠にしていることに違和感を感じていたので、このような動きが子供らの中で生まれてきたことを歓迎する。
しかし、その一方で、これまで毎年開いてきた全市レベルの小学校17校の4年生による合唱発表会が今年から廃止されようとしていると聞いている。合唱発表会の成果の一端は、合併10周年記念式典で岡部小学校の4年生が魅せたコーラスに現れているように、市内17校の4年生が市民会館で磨いてきた合唱の成果を交流しあうことをめざして、4年生を通過する多くの生徒が一定期間懸命に合唱に打ち込むことにある。もちろんこれ以外に音楽活動が様々な形で取り組まれているが、近年学校はやることが多くて文化や体育がだんだんわきに追いやられているように感ずる。
そうした中で合唱発表会がなくなることは、市が積み上げてきた「教育日本一」の一つの宝を投げ捨てることではないか。予算説明にある「子どもの合唱レベルの向上」を全校レベルで失うというもっと大きな損失につながるのではないか。
「合唱によるまちづくりの推進」と聞けば、まるで市内のあちこちから歌声が沸き上がるかのように聞こえるが、我が国の音楽史上最も多くの人たちが歌ったのは1960年代から70年代にかけての「うたごえ運動」の隆盛だったと思う。私はこの運動の渦中にいたが「うたごえを1千万人に」というスローガンを打ち出しながら達成できなかった。10分の一をうたわせるのは大変なことなのだ。
「合唱によるまちづくりの推進」とは、大げさすぎる。今年の予算説明(パワーポイント版)には、きらびやかだが空疎な言葉が随所に踊り、気になっているところである。多くの市民のうたごえが沸き上がるようになるにはどうするか。いまの文化政策でいいのか。真剣な探求が求められているのではないか。