質問通告内容
- 会議名
- 令和2年藤枝市議会定例会11月定例月議会
- 質問日
- 令和2年12月3日
- 区分
- 一般質問
- 議員名
- 大石信生 (日本共産党)
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内容
標題1:職員少数主義からの転換を
(1) 職員少数主義の弊害、克服を
日本は世界で最も公務員が少ない国であるが、その中でも藤枝市は、さらに少ない方にランクされている。本市の正規職員は「職員少ないランキング」で類似団体中第2位、行政職では第5位にあり、この少なさが多くの弊害を生むまでになっている。
具体的には、多くの市民の命に関わる「原発避難計画」がつくれない。あるいは特定空き家がゼロでないのに「ゼロ」と答弁している背景に、「指定」に踏みだせない職員不足がある。また税金が払いたくても払えない善意の市民に、いきなり差し押さえなど市民に寄り添えない税務行政が横行している。さらに藤枝駅周辺の市街地再開発事業では、デベロッパー(代行)言いなりになるしかない実情がある。などなど、市政のあらゆる面にマイナスの影響が出ていて、それは広い範囲で市民の不利益につながっている。
都市建設部・基盤整備局をはじめとして多くの市民要望が寄せられているが、これへの対応をスピード感を持って実行していくうえで、職員不足を痛感させられる。
市は最近職員を増やしているというが、確かにH29〜R2の4年度に27人増やした。しかしそれ以前のH23〜H28までの6年度に29人減らしていて、まだ以前のレベルを回復すらしていない。これが実態である。市政の最大のネックになっている職員少数主義からの転換に踏み出すべきではないか。
(2) 非正規率48%は、「異常」ではないか
職員の仕事は年毎に増えているので、そこから一方で外部委託が増えて、物件費が増大している。もう一方で正規職員が増やされない分が、膨大な数の非正規職員に置き換えられている。小泉構造改革以後、我が国の非正規労働者は3割を超えるという極めて異常な事態になっているが、本市の非正規率はなんと48%にまでなっていて、いかに正規職員が抑えられているか、この異常は、改められなければならないのではないか。
(3) 安易に委託に走らないようにすべきではないか
業務委託料には消費税10%がかかり、当然ながら受託者の利益分も上乗せされるので、病院患者給食の経験で学習したように、委託が必ずしも安上がりとはいかない。安易に委託を増やす方向についても、検討を加える必要があるのではないか。
(4) 最大の市民的損失―「人的資本の蓄積」が失われること
職員は市民のために仕事をすることで、その経験を通して能力や技能を高めていく(スキルアップ)。これは市政のなかに「人的資本の蓄積」として豊かに蓄えられる。「人的資本の蓄積」の豊かさは、そのまま市の魅力となる。ところが外部委託は「人的資本の蓄積」を断ち切る。また会計年度任用職員はスキルアップという最も人間的な喜びが満たされにくい職種であり、これの増大も「人的資本の蓄積」の妨げといわねばならない。市は「安上がり」と見ているかもしれないが、実際には、はるかに大きな市民的損失になっているということを、しっかりと見ておく必要があるのではないか。「人的資本の蓄積」について、市長の見解を伺いたい。
(5) スペシャリストが育たない人事政策になっているのでは?
「ゼネラル・スペシャリスト」という言葉が盛んに言われた時があったが、これが言われなくなったのは何故か。
職員がころころ変わり、スペシャリストが育たない人事政策になっているのではないか。市長が力を入れる駅周辺の中心市街地再開発事業では、デベロッパー(代行)言いなりで、マネージャーと対等にわたり合い、市の主体性を貫ける職員が不在ではないか。あるいは、お茶が分かる職員がいないので、本市の茶業は衰退の一途を辿っているし(茶振協委託がダメ!)、農政は語れても、土に触わることもなく農業が分かる職員がいないのではないか。窮状に陥った市民を救済する市民相談センターの相談員が、全員非正規の身分など本来あってはならないのではないか。市内で活動する文化団体の人脈に通じ、どうしたら市の文化政策が発展するかを考えられるような職員がいないのではないか(文化協会委託がダメ!)。
市政の柱になる政策を、民間団体に委託する方法は改め、スペシャリストといえる人材を多く抱える市政にしていくべきではないか。
(6) 現業職員(正規)の新規採用を
現業部門職員は、国の方針を受け入れて平成17年度から新規雇用を停止しており、このままいくと現業職員が次々と定年を迎えて、給食業務が民営化に追い込まれるのをはじめ、保育士、学校用務員、ごみ収集、公園整備、道路補修、水道、下水道、病院助手など正規の現業職員がいなくなり、これらの分野が一気に民営化せざるを得なくなる。市長はこのようにはしないと答弁しているが、現業正規職員の採用を開始すべきではないか。