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質問通告内容

会議名
令和6年2月藤枝市議会定例月議会
質問日
令和6年3月4日
区分
代表質問
議員名
石井通春 (日本共産党)
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内容

標題1:能登半島地震の教訓を活かした防災計画、予算案を

1:地域防災計画を安全神話にしない事
 能登半島地震では石川県地域防災計画”地震災害対策編”の想定を超える地震が発生した。群発地震が相次いでおきながら1997年当時の想定から見直されていなかったことが、大きな被害をもたらしている。
 今後、本市の防災計画(令和5年1月策定)の在り方もこの教訓に学ぶことが必要ではないか。
@現在の避難計画は、マグニチュード9クラスの南海トラフ巨大地震を想定しているが、被害規模は火災による死者数ゼロ(予知ありとしているが、そもそも予知などほぼ不可能)屋外落下物やブロック塀倒壊等による死者ゼロなど、被害想定が甘くないか。新たな断層などが発見されない限り見直す事のないとされる被害想定を見直すよう主体者である県と協議をするべきではないか。
A死者の4割が「圧死」「窒息呼吸不全」であり、多くは建物倒壊の下敷きであった。耐震基準を満たさない住宅への改修費補助を実効性のある金額への引き上げや助成対象の拡大などを検討するべきではないか。
B道路のほとんどが壊滅した状況で市内間の移動もままならない。どうやって一時避難所や広域避難所へ移動できるのか。市民のほとんどは現在の避難訓練通りに行動するが、こうした想定外が起きた場合の市民への伝達手段などどう確保するのか。
C今回、避難所の物資不足が深刻になった。まずは水の不足によるトイレの使用不可、ダンボールベットがない状況で車中泊やビニールハウス泊を強いられるなど。
過去の震災でも同様の事が起きていながら、従来通り体育館を一時避難策とする事を継続してきた。避難所と指定するだけでなく、発電機付きの冷暖房機能や需要に見合う携帯トイレなどの備蓄など策を講じるべきではないか。
D休止中でありながら重大事故を起こした志賀原発の30キロ圏内の通行止めは16路線30カ所にも及んだ。5キロ圏内の住民は能登半島先端部に避難する計画であったが、当然避難など不可能だった。
また避難できない場合屋内に避難するとされているが、倒壊、断水、停電で避難など出来る状況ではなかった。
本市の地域防災計画”原子力編”もほぼ同様に、まず屋内退避とし、その後、基本的には自家用車で神奈川や埼玉へ避難するとしているが、改めて「絵に描いた餅」「机上の空論」である事が鮮明になった。ただ地震と異なり原発は廃炉にする事で災害は防げる。絵空事の訓練の実施は「安全神話」につながる。永久停止、廃炉こそが一番実効性のある安全策ではないか。
2:今こそ基金の活用を
 施政方針では、自主防災力の強化、資機材等の調達に関わる支援の拡充にふれている。一方で、使途が定められていないものの、基本的には災害など不測の事態に備える基金とれている財政調整基金の残高は堅調に増えている。活用する方針を検討すべきではないか。

標題2:藤枝市は、リニア「田代ダム案」に毅然としてNOを

1:「田代ダム」案は、10か月のトンネル工事期間中に失われる水(山梨県側に流出する水)を、13あるダムのうち唯一東電に売電している(早川水系に導水)田代ダムの水を大井川に流す事で、水問題が解決するというJR東海の提案である。
 この案に対し、本市を含む利水関係協議会が案を前提とした協議を了承し、更に県専門部会が「スキームとしては妥当」とした事で、水問題そのものがあたかも全面解決したかの如く言われているが、実際はそうではない。
 同案の最大の特徴は、工事期間中の溢水が最大500万トンとしている点だが、これは下記の点から不確実である。
・JR東海は”解析値”の表現でこの数字を使用しているが、実際は静岡市(500万トン)とJR(300万トン)の2つを比較したものに過ぎない。
・コアボーリング(地層をドリルなどでくり抜いて採取し、堆積土のサンプルを調べる事。過去に発生した地震・津波、気候変動などを研究する)を粘土質(水を通さない)の山梨県側のみで行っており、破砕帯が集中する静岡県側で行っていない。
・リニアを注視してきた関係7団体の公開質問状に対し、JRは静岡県側のコアボーリングの必要性(現在の結果の不確実性)を認め、今後さらに調査する事を回答した事。(2月8日)
・県の専門部会のみならず国の有識者会議の中間報告(令和3年12月)においても、「解析結果は一定の前提を置いたうえでの計算結果」「湧水量は確定的なものではなく、突発湧水等の不測の事態が生じる可能性がある」としている事。
 一方では、流域自治体の”まとめ役””キーパーソン”等の表現で、島田市長がテレビで500万トンは大井川の年間流量19億トンの0.2%〜0.3%に過ぎず「誤差の範囲」と発言し(NHKたっぷり静岡)独り歩きしかねない状況を作り出している。本市は、500万トンの数値が妥当と考えるか。
2:上記の19億トンは1年間全てを総計したものであり、渇水期を念頭に置いていない。この点に対し、週単位であれば回復する等述べているが3年に2回は取水制限を行う(1993年から現在まで)、年間147日間も取水制限を行う(平成30年度)など、特に冬季において慢性的な水不足に悩む大井川の流量を豊水期を含めた年間流量とする事は根拠となるのか。
3:そもそも「毎秒2dの減少」「380メートルもの地下水位の低下」は、住民が納得できる説明がなされてない上に、田代ダム案は10か月の工事期間中のみの話であり、リニア水問題の解決にはつながらない。既に実験線、新東名など、小規模のトンネルでも掘れば水が枯れる事が証明されている。今後の工事で破砕帯に当たった時に果たして引き返す事は出来るのか。リニアは新幹線等と違い直線でしか進めない。
 工期の遅れの責任や発言の一部分だけをことさら強調するなど異様な知事バッシングも起きており、流域自治体としての立場が今まさに重要な岐路にあると考える。
 過去の私の質問に対し、水の専門家の立場から、「本市にとって大井川は命の水、その事をJR東海に教えたいくらいだ」と述べた市長は、現在の田代ダム案は、水問題の解決につながらない事を明言するべきではないか。

標題3:来年度12月紙の保険証の廃止。確実に医療が受けられる取り組みを

1:マイナ保険証の利用率が8か月連続で減少、利用を推進する立場の国家公務員でも4.36%という惨憺たる状況でありながら、国は紙の保険証を12月に廃止する方針を閣議決定している。
 デジタル化とは、導入によって便利になる事が主な目的と考えるが、そうであるならば自ずと利用率が向上するはず。だが、マイナカードにおいては、最早、導入すること自体が目的となっていて「利便性の向上」が目的ではない事がハッキリしている。
 身分や納税の差なく誰でも医療を受けられる日本の国民皆保険制度が、不必要な”切り替え”で維持できるのか。実務を担わされる自治体業務の観点から質問する。
@紙の保険証の代わりに資格確認証を発行するが、マイナ保険証を所持していない人への交付は確実に行えるか。来年度以降、申請主義になった場合はどうするのか。
A現行の保険証は紛失時即時再発行されるが、マイナカードの再発行は1か月以上かかる。マイナカードの更新を行わない市民に対してなど、遅滞なくどう対応するのか。
B頻発する読み取りエラーや読み取り機未導入医療機関受診用に「資格情報のお知らせ」を発行するが、何を対象に、どれだけの人に発行するのか。マイナ保険証、資格証、資格情報のお知らせと合わせて「3枚持ち」もあり得るが、複雑なシステムで理解が得られるのか。
C更に今年の秋になって、新しいカード、暗証番号なしで保険証や身分証として使える「顔認証マイナカード」を発行した。エラー10割負担の発生を無くすためだが、紙の保険証を残せば済む話なのに、その場しのぎの対応を繰り返し、制度はさらに複雑化した。医療機関が対応できない為、患者に保健情報を申告させる「資格申立書」(アナログ)も新設した。保険者は、これで従来通り遅滞なく一部負担で医療が受けられると考えるか。
2:デジタル庁は、能登半島地震で「スマホからマイナポータルにログインする事で処方など医療履歴が参照できるので治療に役立つ」等述べて、マイナカードを持って避難する事を呼びかけたが、結局スイカが代用する事となった。電源もなくスマホの充電もできない状況でマイナカードは役に立たない。災害時に混乱を招くだけの紙の保険証の廃止は中止するよう求めるべきではないか。
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