質問通告内容
- 会議名
- 令和6年9月藤枝市議会定例月議会
- 質問日
- 令和6年9月11日
- 区分
- 一般質問
- 議員名
- 遠藤久仁雄 (藤のまち未来)
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内容
標題1:藤枝市に残された歴史的建造物といったら〜50年後・100年後に残したいものは〜
温暖な気候に恵まれ住み心地良いまちと言われる藤枝。豊かな自然環境の中で歴史を感じさせ、文化や学問の薫りが高い。サッカーの聖地として、現在でもその勢いを感じさせるまち藤枝。スポーツや芸術にいそしむ市民も他市と比べ多いのではないかと思われる。
その一方で私は、以前から本市に美術館がないことが気になっていたが、蓮華寺池公園の畔には郷土博物館と文学館が併設され、そこでの運営も近年は絵画展を含めより充実した内容となり、集客数も伸びていることを喜ばしく思う。藤枝市の人口規模で、将来どこまで歴史文化遺産の保存が進み、また芸術分野の高まりが見られるだろうか。以下の質問とする。
(1) 本市は経済発展とともに人口が増加し、住宅建設や企業進出等により環境は大きく変化してきた。かつては東海道の宿場町として栄え、歴史ある街並みが存在していたが、現在では本市に残る歴史的建造物等は少ないと感じる。そんな本市の状況をどのように捉えているのか伺う。
(2) 藤枝市文化財保存活用地域計画(2023〜2030年)の中で、歴史文化遺産の保存・活用に関して4つの基本方針を掲げている。地域の宝の掘り起こし(把握する)、後世に守り伝える(保存する)、関わる人の輪を広げる(人材を増やす)、魅力を活かす(活用する)である。
この中で、私は「関わる人の輪を広げる」ということが、キーワードとなるように思えた。如何に魅力を提示し多くの人を仲間に加えるかである。これまで以上に文化遺産を掘り起こし守るためには、本市として何が不足しているのか。現場で苦闘する担当者の声は如何か伺う。
(3) 「市文化センター」の今後の建替え計画全般については、文化活動に関わる多くの市民の皆様の希望に沿うような内容であって欲しい。その一方で本市の美術館建設について、どのようなお考えをお持ちか伺う。
標題2:朝比奈第一小学校のハンセン病学習会と「山内きみ江」さんのお里帰り
本市は人権を大切にするまちであり、市内の全ての小中学校において、授業や生活の中で仲間を大切に思い行動する、ピア・サポート活動に取り組んでいる。
そのような学校の中で、明治7年(1874年)に設立され、今年令和6年(2024年)には創立150周年を迎える、歴史ある朝比奈第一小学校の取り組みに注目したい。
豊かな自然と文化に囲まれた山間地の朝比奈第一小学校では、総合的な学習や生活科などの時間を活用して、地域に学ぶ学習が活発に行われている。そして当校では来たる10月31日に、5・6年生の児童を対象に「ハンセン病学習会(人権学習会)」が計画されている。
この学習会には、近年本市と交流が生まれた東京都東村山市にある国立ハンセン病資料館の学芸員が講師として派遣される計画であるが、本事業が実現することになったのも、長きにわたり地区の出身者である俳人「村越化石」氏とハンセン病について、朝比奈第一小学校の子どもたちが学んできた成果だと捉え、以下の質問とする。
(1) 全国的に見ても大変貴重な学習会だと思われる。一般の方の参観も可能なので、せっかくの学習会をより有意義なものとするため、特に今後教育委員会側からも声かけ等の支援をしていただきたいが如何か。
(2) 3年前には、BiVi藤枝の映画館シネ・プレーゴで本市出身の元ハンセン病患者である「山内きみ江」さんのドキュメンタリー映画『凱歌』を、本市の主催で上映していただき大好評を得た。コロナ禍の中での上映であり、残念ながらご本人の来場は叶わなかったが、会場に駆けつけてくださった小学校時代の4人の同級生の皆さんとのリモート対談等は特に感動的であった。
「きみ江」さんも90歳と高齢になられ、体調の優れない日もあるが、藤枝へのお里帰りを強く希望されているので、先方の条件が整った場合には本市としての受け入れ対応への協力をお願いしたいと考えるが如何か伺う。
(若くして生地を離れ療養所での隔離生活を強いられ、未だ帰郷の夢叶わぬ「きみ江」さんを温かく迎え入れることができるのなら、ハンセン病に対する国の誤った歴史の蛮行を、藤枝市が主体的な判断により修復できることになると考えます。)