質問通告内容
- 会議名
- 令和7年11月藤枝市議会定例月議会
- 質問日
- 令和7年12月5日
- 区分
- 一般質問
- 議員名
- 寺田亜記子 (藤のまち未来)
内容
標題1:感染症大流行を見据えた地域医療提供体制の構築について
昨年末から年始にかけて、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザが同時に流行し、地域医療はかつてないひっ迫に陥りました。
全国では、昨年12月9日〜15日の1週間だけで 94,259件 のインフルエンザ報告があり、前年同期の2倍以上となっています。
さらに今年は流行の開始が例年より早く、10月時点で既に数千件規模の報告が出るなど、全国的に医療機関の負荷増大が懸念される状況です。
藤枝市でも昨年末からお正月にかけて、休日当番医や志太榛原救急医療センターでは朝から長い列ができ、「駐車場に入れない」「午前に受付しても診療は午後」といった市民の声が多く寄せられました。
重症者が適切に医療につながらない事態は、自治体として深刻に受け止める必要があります。
また、11月11日に連合静岡志太榛原地域協議会から提出された政策制度要請では、地域医療について次のような点が示されています。
● 医師不足の改善が進む一方で、依然として医師の過重労働が続いており、医療DXの推進や、多様な働き方・キャリアを支える医療現場のダイバーシティ推進が求められていること。
● 医療従事者が不足することで地域の医療体制が崩壊しないよう、体制維持が不可欠であること。
● 高齢化の進展により、医療の内容が「治す」「救う」に加えて「支える」「介護」「癒す」「看取る」にも重点が置かれるようになっていること。
● 専門医療の拠点化・集約化とあわせて、かかりつけ医の機能分化・連携が必要であること。
● 医療機関と行政が、時代の変化に応じて地域医療の課題解決に協働し、高齢者や住民が住み慣れた地域で質の高い医療サービスを受けられる体制を構築すべきであること。
これらは、感染症対応だけでなく、地域医療全体の持続性や多職種連携の重要性を指摘する内容となっています。これらも踏まえ、以下質問します。
(1)昨年末の医療ひっ迫の検証と改善計画について
@ 昨年末から年始にかけての医療現場の混乱について、どのような課題を捉え、どのように検証されたのか伺います。
A 感染症流行のひっ迫を防ぐには予防接種が重要です。今年度の新型コロナおよびインフルエンザの接種状況は、昨年度と比べてどうか伺います。
B 昨年末の混乱を踏まえ、本市としてどのような再発防止策を講じ、体制強化や情報提供の見直しを行ったのか伺います。
(2)年末年始・大型連休に向けた緊急対策について
@ 軽症者が自宅で安心して療養できるよう、薬局と連携して抗原検査キット・同時検査キット・解熱鎮痛剤を休日・夜間でも供給できる体制づくりをどのように進めているのか伺います。
A 医療に迷った際に相談できる相談窓口、電話相談、オンライン相談体制について伺います。
(3)中長期的な医療提供体制の強化 ― DXと地域連携について
@ 救急搬送が必要な方が確実に救急医療につながることが大切です。そこで、感染症流行時の市民の命を守る救急医療体制について伺います。
A 市民向けオンライン健康医療相談アプリ「HELPO」の活用状況や利用率、また課題認識について伺います。
B 感染症流行期の混雑を抑える手段として、市内医療機関におけるオンライン診療の活用を市としてどう支援していくのか伺います。
(4)在宅療養・看取り支援の充実について
@ 高齢者は感染症にかかると、体力低下や移動手段の問題から受診が難しくなるケースがあります。
こうした在宅療養を支えるため、訪問診療・訪問看護・薬剤師・ケアマネジャーなど多職種が切れ目なく情報共有できるICT体制について、市としてどのように支援していくのか伺います。
A 自宅での療養や看取りを希望する市民が増える中で、新たに開設される家庭医療センターが、地域全体の在宅医療体制の強化にどのように貢献していくのか伺います。